2002-11-01から1ヶ月間の記事一覧

竹森俊平「経済論争は甦る」

[東洋経済新報社 2002年10月24日初版] 日本の経済にかんする議論を、シュムペーターとフッシャーという二人の経済学者の学説の対立として整理したもの。 最近、これくらい面白い本を読んだことがない。こちらの現下の関心とぴったり一致するテーマ…

森永卓郎「シンプル人生の経済設計」

[中公新書ラクレ 2002年11月10日初版] 森永卓郎さんは、専門の経済分野に関してはなんだかいうことが変で、神がかってきているが(自分を日銀総裁にしてくれたら、明日にでも日本の景気を回復してみせるのだそうである。最近政府の中枢にはいった…

オスカー・ワイルド「まじめが肝心」西村孝次訳

[新潮文庫「サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇」所収 昭和28年4月10日初版] なんでこんなものを読んだかというと、graded readers の中に、これの焼き直し簡約版があって、それを読んでも内容がよくわからなかったからである。あとのgraded readersは内…

酒井邦秀「快読100万語!ペーパーバックへの道 辞書なし、とばし読み英語講座」

[ちくま学芸文庫 2002年6月10日初版] またまたこんな本。「ビッグ・ファット・キャット」の路線であるが、さらに易しい本の多読をすすめている。 ネイティブ以外の英語勉強者のために、主としてイギリスの出版社、ペンギン文庫やオクスフォード、ケ…

野口悠紀雄「「超」文章法 伝えたいことをどう書くか」

[中公新書 2002年10月25日初版] 文学的な文章ではなく、論述文をどのように書くかについての本。木下是雄の「理科系の作文技術」などの系列に連なるものである。このごろの本は相当気楽に書き流しているように見える本が多いが、これは著者が気合…

内田樹「期間限定の思想 「おじさん」的思考2」

[晶文社 2002年11月10日初版] あとがきによれば、ウチダタツル君は今年いっぱいで著述業を廃業して学者生活にもどるのだそうである。 30代のばりばりのキャリア・ウーマンに心を病む人が増えている。人間が精神的に追い詰められるのは、「一人で…