2003-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 岩井克人 「資本主義を語る」

ちくま学芸文庫 1997年2月10日初版 原著1994年刊 雑文集+対談。 これを読むと「会社はこれからどうなるのか」での岩井氏の議論は長年の論考の上になりたっているものであることがよくわかる。 アダム・スミスが批判したのは商業資本主義的「重商…

 E・O・ウイルソン「知の挑戦 科学的知性と文化的知性の統合」

角川書店2002年12月20日初版 「社会生物学」で一世を風靡した?ウイルソンの近著。 人間は進化の産物である動物の一つの種であるということには多くの人は異論はないであろうが(とはいっても、アメリカではファンダメンタリストが五万といて、聖書…

L・ストレイチー「ナイティンゲール伝」

岩波文庫1993年初版 原典1918年刊 ストレイチーの「著名なヴィクトリア朝人たち」のなかの一篇。 著者が述べているように、一般大衆がナイチンゲールについて抱いているイメージは、自分を犠牲にした聖女のような女性、悩める人たちを救うために安楽…

岩井克人「会社はこれからどうなるのか」

平凡社 2003年2月23日初版 大変面白い本。最近、こんな面白い本を読んだことがない。頭がよいひとの書いたものを読むと、そこに書かれていることが簡単なことであるように思えることが多いが、この本も話の流れの筋道がきわめてすっきりしているため…

文藝春秋編「わたしの詩歌」

四十六名の人に自分の好きな詩歌を挙げてもらい、それにかんしての短文を付したものである。 ここでは内田樹の「二度と再現できない歌―ワルシャワ労働歌―」のみをとりあげる。 暴虐の雲 光を覆い 敵の嵐は 吹きすさぶ 怯まず進め 我らが友よ 敵の鉄鎖をうち…