2003-05-01から1ヶ月間の記事一覧

 内田樹「ためらいの倫理学 戦争・性・物語」

冬弓舎 2001年3月10日 初版 内田氏が連名ではなく単著としてだした最初の本。いくつかの短文をテーマ別に並べたもの。 最初がソンタグ批判。ソンタグの著書については以前論じたことがあるが、そこでの大江健三郎との往復書簡をとりあげている。内田…

 原彬久編 「岸信介証言録」

毎日新聞社 2003年4月20日初版 岸信介氏が84歳の時に原氏とおこなったインタヴューの記録。 自民党の本流といわれる人、特に革新官僚といわれた岸氏などは自由というのが嫌いなのではないか? アダム・スミスやヒューム流の自由主義というのは嫌い…

 E・トッド「帝国以後 アメリカ・システムの崩壊」

藤原書店 2003年4月30日初版 養老孟司氏が毎日新聞の書評で激賞しているのをみて、読んでみた。面白い。目から鱗である。 養老氏も書いていたように、ここに書かれていることは仮説である。 ポパーもいうように常識的にはありえそうもない仮説があり…

 内田樹「私の身体は頭がいい 非中枢的身体論」

新曜社 2003年5月15日 初版 内田氏はフランス思想の研究家であると同時に武道家でもあって、その内田氏の武道論である。 ところでこの題は、橋本治の「「わからない」という方法」(集英社新書)に由来している。正確には「自分の身体は頭がいい」(…

 内田樹「疲れすぎて眠れぬ夜のために」

角川書店 2003年4月30日初版 何か変な表題だが、<疲れすぎて眠れない>なんてことは本来あってはならない変なことなのだから、そういう時に、これを読んで考えなさいということであろうかと思う。 現代は「いくら欲しいものを手に入れても、まだ欲望…

 内田樹「女は何に欲望するか?」

径書房 2002年11月12日 初版 とんでもないタイトルの本であるが、フェミニズムについて批判的に論じたとても真面目な本である。このタイトルで、その内容がわかるひとはいないと思う。内田樹氏はそれなりにメジャーになっているからいいが、そうでな…

 大塚英志 「江藤淳と少女フェミニズム的戦後 サブカルチャー文学論序章」

2001年11月10日初版 筑摩書房 去年、丹生谷貴志氏の「家事と城砦」を読んだときに、その一章「肉体の使用法」に「文学界」連載の大塚英志「サブ・カルチャー文学論」の第六回として「庄司薫とサブ・カルチャー文学の起源」というのが紹介されていて…

 吉本ばなな「キッチン」

角川文庫 原著1991年? 大塚英志氏が、天性の物語作家であると激賞しているので読んでみた。 いままで吉本ばななの本は一冊も読んでいない。なんだか若い女の子に人気がある小説家というのに偏見があって、手にとったことがなかった。 それで・・・。 な…

 大塚英志「物語の体操 みるみる小説が書ける6つのレッスン」「キャラクター小説の作り方」

朝日文庫 2003年4月30日初版 2000年12月 朝日新聞社より単行本初版 講談社現代新書 2003年2月20日初版 小説家の小説を書く技術は、どこまでが小説家に特権的な部分で、どこまでは素人にも共有できるかということを論じたもので、いわば…