2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

青柳いづみこ 「ピイアニストが見たピアニスト 名演奏家の秘密とは」

[白水社 2005年6月20日初版] 自身ピアニストである青柳氏が、リヒテル、ミケランジェリ、アルゲリッチ、フランソワ、バルビゼ、ハイドシェックの6人のピアニストについて論じたものである。わたくしはバルビセというピアニストについてはしらず、フ…

竹村公太郎「土地の文明 地形とデータで日本の都市の謎を解く」

[PHP 2005年6月27日初版] 竹村氏の本を読むのは「日本文明の謎を解く」についで二冊目。これも前と同じに養老孟司氏の推薦。 建設省河川局長として日本のインフラ整備に携わってきたひと。養老氏もいっているように日本の環境破壊の推進者と非難さ…

ルブラン原作 南洋一郎 文「奇巌城」

[ポプラ社 2005年2月] 書店にこのポプラ社の本で乱歩の「少年探偵団」シリーズとルブラン「怪盗ルパン」シリーズが並んでおいてある。「少年探偵団」もシャーロック・ホームズも結構記憶に残っているのだが、ルパンものは読んだ記憶はあるが印象が薄い…

小谷野敦 「帰ってきたもてない男 女性嫌悪を超えて」

[ちくま新書 2005年7月10日初版] 小谷野氏が「もてない男」を上梓したのが1999年のはじめ。本書「帰ってきた・・」によれば、氏はその年の秋に結婚し、三年ほどで離婚したらしい。それでその多難な?人生経験を経て、「もてない男」に書いたこと…

岩井克人 「会社はだれのものか」

[平凡社 2005年6月24日初版] 以前この人の「会社はこれからどうなるのか」を読んで面白かったのでここでとりあげたことがあるが、最近この「会社はだれのものか」が本屋に並んでいて、書名が似ていたので前の本の再版されたのかと勘違いしていた。本…

倉橋由美子 「偏愛文学館」

[講談社 2005年7月7日初版] もともと出版が企画されていたものなのだろうか? それとも倉橋氏の死に便乗したものなのだろうか? 文字通り倉橋氏が偏愛する文学作品につき語ったもの。38冊の本が取りあげられているが、そのうち直接、吉田健一と関係…

P・G・ウッドハウス 「よしきた、ジーヴス」「ジーヴズの事件簿」

[国書刊行会 2005年6月15日初版] [文藝春秋 2005年5月30日初版] 「よしきた、ジーヴス」は、国書刊行会から刊行されている「ウッドハウス・コレクション」の第2巻で、3月くらいに取り上げた「比類なきジーヴス」の続巻である。「比類なき」…

クルト・マズア指揮 ショスタコーヴィッチ「交響曲第五番」

[LPOー0001 輸入版] たまには本の感想以外も。 昨年初旬、マズアがロンドン交響楽団を指揮した演奏会のライブ録音である。 偶然にCD店でみつけたものであるが、「最終楽章の異様な遅さ!」というような宣伝文句につられて買ってきた。 ショスタコー…

高田里恵子 「グロテスクな教養」

ちくま新書 2005年6月10日初版] 高田氏の本は前に「文学部をめぐる病い」をとりあげたことがあり、何かいやな感じのする後味の悪い本というような感想を述べたような気がするが、本書もまた同様の印象をあたえる本である。何より困ったことに著者がそ…