2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

許光俊「オレのクラシック」

[青弓社 2005年7月15日初版] この人の本ははじめて読むが、クラシック音楽について言いたいことを言っているので有名な人らしい。非常に古風なクラシック音楽観をもっている人である。その点では丸山真男などと同じなのだけれど、自分の音楽観がも…

R・ダール 柳瀬尚紀訳「チョコレート工場の秘密」

[2005年4月30日初版] 最近知ったのだがダールの子供向けの本の新しい(あるいは改訂版の)翻訳シリーズが今年春から刊行されつつあるらしい。その一冊。 「チョコレート工場の秘密」はダールの子供向けの本の代表作で田村隆一訳で以前でていたが、…

橋本治 「橋本治という行き方 WHAT A WAY TO GO!」

[朝日新聞社 2005年6月30日初版] 何という題名!ではあるが、読んでみれば納得で、確かに「橋本治という行き方」なのである。本当に WHAT A WAY TO GO! である。 幾つかのテーマを論じているが一番の骨格は教養論である。 橋本治は、自分は原稿を書く…

橋本治 「ああでもなくこうでもなく No95」

[広告批評2005年8月号 マドラ出版] 橋本治が延々「広告批評」に連載している「ああでもなくこうでもなく」の今月号の「セレブ」論が面白かったので少々感想を書いてみる。 セレブというのは日本語であると橋本治はいう。なぜそういう言葉が必要とされ…

鈴木淳史 「わたしの嫌いなクラシック」

[洋泉社新書y 2005年8月22日初版] 著者の鈴木氏はクラシック音楽愛好家なのではあるが、当然のこととして、あらゆるクラシックが好きというわけではない。この曲は嫌い、あの演奏家も嫌い、ということがある。それはなぜなのか、といったことを書い…

田原総一朗 「日本の戦後 下 定年を迎えた戦後民主主義」

[講談社 2005年7月19日初版] 2年ほど前に出た上巻についてきびしい感想を書いた記憶があるが、本書の感想もまた同様である。要するに著者の独自な意見が何もない。その時々においては時流の平均の立場にいて、しばらくしてそれが間違っていたと感じ…