2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

S・ピンカー「人間の本性を考える 心は「空白の石版」か」(5)

今まで、下巻に収められた「5つのホットな問題」のうちの4つをとりあげたので、ここで上巻にかえって、ピンカーの主張をはじめからみていくことにしたい。大雑把にいえば、上巻は《心は「空白の石版」》説が間違っていることを示す部分であり、中巻が《心…

S・ピンカー「人間の本性を考える 心は「空白の石版」か」(4)

前に続いて id:jimyaza:20069426 ピンカーのいう5つのホットな問題のうちの4番目の問題である第17章「暴力」(ちなみに残りの一つは芸術なのだが、これはなにをいいたいのかよくわからない章なのでとりあげない)。 西洋社会では過去千年の間に殺人の発…

今日買った本

J・R・ハリス「子育ての大誤解 子どもの性格を決定するものは何か」早川書房 2000年1月31日初版

S・ピンカー「人間の本性を考える 心は「空白の石版」か」(3)

前に続いてid:jmiyaza:20060425 ピンカーのいう5つのホットな問題のうちの第18章「ジェンダー」をとりあげる。この章はフェミニズムの問題に終始している。 ピンカーがフェミニズムをあつかうやり方はかなり政治的である。フェミニズム全体を否定するので…

今日買った本

A. Stevens & J. Price 「Evolutionary Psychiatry A New Beginning Second Ed.」 Brunner-Routledge

S・ピンカー「人間の本性を考える 心は「空白の石版」か」(2)

前の「政治」に続いてid:jmiyaza:20060423 ピンカーがあげる「5つのホットな問題」の二番目として第19章「育児」。 これがまた驚天動地のことが書いてあって、ただもう驚いた。 そこでいわれている行動遺伝学の3法則: 第一法則 人間の行動特性はすべて…

S・ピンカー「人間の本性を考える 心は「空白の石版」か」(1) 

NHKbooks 2004年8月〜9月初版 ピンカーは小児の言語獲得を専門とする認知心理学者である。ピンカーの本は「言語を生み出す本能」「心の仕組み 人間関係にどう関わるか」(いずれもNHKbooks)と本書を買ってはあったのだが、なんとなく…

今日買った本

D・ヒューム「人性論」1〜4 岩波文庫 1948年

今日買った本

佐々木俊尚 「グーグル Google 既存のビジネスモデルを破壊する」 文春新書 2006年4月 内田樹 「態度が悪くてすみません −内なる「他者」との出会い」 角川oneテーマ21 2006年4月 S・バロン=コーエン 「共感する女脳、システム化する男脳」 N…

今日買った本

清水克行 「喧嘩両成敗の誕生」 講談社選書メチエ2006年2月 P・D・ウッドハウス 「ウースター家の掟」 国書刊行会 2006年3月 A・クリストフ 「文盲」 白水社 2006年3月 J・R・サール 「MIND 心の哲学」 朝日出版社 2006年3月 …

P・ブルーム「赤ちゃんはどこまで人間なのか 心の理解の起源」

ランダムハウス講談社 2006年2月8日初版 著者はピンカーらとともに言語能力、とくに幼児の言語獲得について研究しているひとらしい。それにかんする話題も本書でもとりあげられてはいるが、翻訳のタイトルはミスリーディングであり、原題の「デカルト…

J・H・カートライト「進化心理学入門」

[新曜社2005年6月1日初版] 進化心理学について少し概観したみたいと思って読んだ入門書であるが、何冊かこの系統の本を読んできたあとなので、かなりの内容は既にどこかで読んだ記憶のあることであった。それでいくつかの話題だけをとりあげてみること…

今日買った本

R・カーター「脳と心の地形図」 原書房 1999年12月 R・カーター「脳と意識の地形図」 原書房 2003年12月 J・ルドゥー「エモーショナル・ブレイン」 東京大学出版会 2003年4月 J・ルドゥー「シナプスが人格をつくる」 みすず書房 200…

V・S・ジョンストン「人はなぜ感じるのか?」

[日経BP社 2001年6月4日初版] ダマシオの本id:jmiyaza:20060402と同じように、認知にはたす感情の重要性について論じている本であるが、ダマシオのものとくらべてより進化からの観点が重視されている。ダマシオのものほど主張が強い本ではなく、心理…

今日買った本

J・スターリング「大脳皮質と心 認知神経心理学入門」 新曜社 2005年4月 J・H・カートライト「進化心理学入門」 新曜社 2005年6月 J・ジェインズ「神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡」 紀伊国屋書店 2005年4月

今日買った本

水谷千秋「謎の豪族 曽我氏」 文春新書 2006年3月 小熊英二「日本という国」 理論社 2006年3月 内田樹 三砂ちずる「身体知 身体が教えてくれること」 basilico 2006年4月

A・R・ダマシオ 「感じる脳 情動と感情の脳科学 よみがえるスピノザ」

[ダイヤモンド社 2005年11月10日初版] 悲しいから涙がでるのではない、涙がでるから悲しいのだ、という説をはじめて知ったのは、下條信輔氏の「サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ」(中公新書1996年)http://members.jcom.home.ne.jp…