2007-01-01から1年間の記事一覧
河出書房新社 2007年4月 本書を読んでみる気になったのは、赤木智弘氏の「若者を見殺しにする国」を読んで今ひとつすっきりしない点が残ったためである。赤木氏の議論では、絶対的な貧困と相対的な貧困が充分に区別されていないように思えた。絶対的な…
双風社 2007年11月 著者の赤木氏は1975年生まれであるから32歳、「論座」の今年1月号に「『丸山真男』をひっぱたきたい ― 三十一歳、フリーター。希望は、戦争」という論文を発表して注目されたひとらしい。論文のタイトルにもあるように、いわ…
P・G・ウッドハウス「ジーヴスと恋の季節」 国書刊行会 2007年12月 S・キング「セル」 新潮文庫 2007年12月 松岡正剛「誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義」 2007年12月
橋本治「小林秀雄の恵み」 新潮社 2007年12月
橋本治「日本の行く道」集英社新書 2007年12月
ソーントン不破直子「ギリシャの神々とコピーライト 「作者」の変遷、プラトンからIT革命まで」 学藝書林 2007年11月 根井雅弘「ケインズとシュンペーター 現代経済学への遺産」 NTT出版 2007年10月 I・B・コーエン「数が世界をつくった …
今「椿三十郎」のリメイク映画が公開されているらしい。 「椿三十郎」の原作は山本周五郎の「日日平安」とされている。山本周五郎の小説はひとつも読んでいないから、これも読んでいない。 原作といっても「椿三十郎」のいくつかのエピソードが関係する程度…
ちくま文学全集「寺山修司」 筑摩書房2007年11月 坪内祐三「アメリカ 村上春樹と江藤淳の帰還」 扶桑社2007年12月 O・パムク「イスタンブール 思い出とこの町」藤原書店 2007年7月
《KINDLE》 坂東慶太さんのトラックバックで、KINDLE というアマゾンから発売(但しアメリカで)された一種のe-book reader を知った。新しいもの好きでおっちょこちょいだから日本語版がでたら買ってしまうかもしれない。 これにかんする記事をみていて感じ…
ほぼ2年前「ウェブ進化論」を読んだときは、なにもかもがはじめてきく話ばかりであった。Web 2.0 もロングテールもオープンソースもはじめて聞く話であったし、グーグルがなにを目指しているのかもはじめて知った。さすがにブログという言葉はきいたこと…
梅田氏の「ウェブ時代をゆく」を読んで、思いだした本、連想した本をとりあげ、それとの関係から梅田氏の本の占める位置をマッピングするのも、そろそろ種切れである。グーグルのしようとしていることは情報の関連づけであろう。情報相互の位置関係を測定し…
仕事については二つの見方があると思う。自分のためのものという見方と、仕事は他人のためのものという見方である。自分のためという見方も、仕事の中でこそ自分が生かせるという方向と、自分がとにかくも食べて生きていくという方向にさらにわかれる。「ウ…
「うなぎくん」というのは、内田樹氏の「村上春樹にご用心」に紹介されている柴田元幸氏のインタビューでの村上春樹氏の発言のなかにでてくる。 村上:僕はいつも、小説というのは三者協議じゃなきゃいけないと言うんですよ。・・僕は「うなぎ説」というのを…
前回のエントリーを書いていて、人間には第六感があるが、デジタルの世界にはそれがない、ということをいいたいのだろうか、と思った。で、梅田氏の本のどこかに第六感という言葉がでてきたことを思い出した。探してみると、p29〜30で、江島健太郎とい…
養老孟司「養老訓」新潮社 2007年11月
わたくしの持っている渡部昇一氏の「知的生活の方法」は昭和54年9月刊の26刷で、初版が51年4月であるから、刊行されて3年以上たってから購入したことになる。評判になっていることは知っていたが、長い間、絶対に読むものかと思っていた。まず「知…
1876年、グラハム・ベルが電話を発明した。その当時の電話の最大の問題点は音声電流が電線を通っていくうちに減衰してしまうことで、それを解決したのが、1906年に発明された三極真空管であった。しかし真空管には限界があった。タマ切れを起こすと…
相田洋「電子立国日本の自叙伝」(日本放送出版教会 1991年 4巻 のちNHKライブラリー 7巻 1995年)は、1990年にNHKテレビで放映された番組を活字化したもので、わたくしは丸谷才一・山崎正和の「日本史を読む」(中央公論社 1998年…
O・パムク「わたしの名は紅」 藤原書店 2004年11月 羽入辰郎「マックス・ヴェーバーの哀しみ」 PHP新書 2007年1月
内田樹氏の「村上春樹にご用心」(アルテスパブリッシング 2007年10月」は「私たちの世界にはときどき「猫の手を万力で潰すような邪悪なもの」が入り込んできて、愛する人たちを拉致してゆくことがある。だから、愛する人たちがその「超越的に邪悪なも…
個と共同体というのは日本の思想の根っこにある大問題で、これについてはこれまでも数え切れないくらいの文章がかかれてきている。梅田氏はこの問題自体を論じようとするのではなくて、ネット時代が個あるいは共同体にどのようなインパクトをあたえるかとい…
村上龍氏の「希望の国のエクソダス」は「一言で言うなら、中学生の一団が「現代日本」の中で反乱を起こし、北海道に新しい「希望の国」を作る話」(加藤典洋「小説の未来」朝日新聞社2004年)である。文春文庫の「文庫版あとがき」で村上氏は、なぜ中学…
ちくま新書 2007年11月 本書を読んでいある間、ずっと村上龍氏の著作のことが頭に浮かんでいた。たとえば「13歳のハローワーク」であり、「希望の国のエクソダス」である。本書の主題がサバイバルであり、若者の仕事であることからであろう。梅田氏…
第一次世界大戦に出征した兵士たちは、昨日までの戦争と大差のない、短い戦争にでかけるつもりであった。過去に類例のない、恐ろしい、いつまでも続く戦争にむかうとは誰も思っていなかった。それ以前の戦争はまだ敬意の対象であり。勇気と祖国愛の発露の場…
内田樹「村上春樹にご用心」 アルテス 2007年10月 小谷野敦「リチャード三世は悪人か」NTT出版 2007年10月 O・パムク「雪」 藤原書店 2006年3月
梅田望夫「ウェブ時代をゆく いかに働き、いかに学ぶか」 ちくま新書 2007年11月 小谷野敦「日本売春史」 新潮選書 2007年9月 S・J・グールド「神と科学は共存できるか?」 日経HP社 2007年10月 S・オッペンハイマー「人類の足跡10…
第2次世界大戦が終わったあとでは、1920年〜30年にナチズムが人々に未来を約束するものであったことを理解することはほとんど不可能になっている。ファシズムは完全に息の根をとめられた。しかしコミュニズムは初期の魅力のすべてをまだ失ってはいな…
バジリコ 2007年9月 毎日新聞の書評欄で鹿島茂氏が紹介しているので知った本である(最近、朝日新聞の書評欄でもとりあげられていた)。 2段組700ページという浩瀚な本であるが、いわれていることは比較的単純なことで、20世紀の全体主義(ファシ…
J・デリダ 「マルクスの亡霊たち」 藤原書店 2007年 9月 F・ウィーン 「マルクスの『資本論』」 ポプラ社 2007年 9月 養老孟司 池田清彦 吉岡忍 「バカにならない読書術」 朝日新書 2007年 10月
M・マーモット「ステータス症候群 社会格差という病」 日本評論社 2007年10月