2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

今日入手した本

山内志朗「普遍論争 近代の源流としての」平凡社 2008年1月

今日入手した本

E・ギボン「ローマ帝国衰亡史」普及版 PHP 2008年3月 L・ストレイチー「ヴィクトリア朝偉人伝」 みすず書房 2008年2月

今日入手した本

山本七平「小林秀雄の流儀」 新潮文庫 2001年 T・フリードマン「フラット化する世界」増補改定版 2008年1月

橋本治「小林秀雄の恵み」(8)「近世」と「近代」

著書をみれば、宣長は激越な国学者とも見えるが、彼は浄土宗の寺に葬られている。世の中に対しては、宣長は仏教徒であったのである。世の中に対しては正業を介して接するのであるから、宣長は医者でもあった。 国学者として漢意を排した宣長は平気で漢文くず…

橋本治「小林秀雄の恵み」(7)「日本人の神」

小林秀雄は、宣長の「物のあはれ」を論じて次のようにいう。『(宣長の)説明は明瞭を欠いてゐるやうだが、彼の言はうとすることろを感得するのは、難しくはあるまい。明らかに、彼は、知ると感ずるとが同じであるやうな、全的な認識が説きたいのである。知…

橋本治「小林秀雄の恵み」(6)「徒然草」

この何回か、「小林秀雄の恵み」における橋本治の「無常といふ事」の読解を検討している。 橋本治は、「当麻」は、能の中将姫の踊りという「美」に襲撃されて敗北した小林秀雄を示すものであり、そのために「無常といふ事」では、かつて「一言芳談抄」できい…

今日入手した本

関川夏央「現代短歌 そのこころみ」 集英社文庫 2008年1月 E・ポール「不思議なミッキー・フィン」 河出書房新社 2008年1月

橋本治「小林秀雄の恵み」(5)「当麻」「無常といふ事」「平家物語」

第二次世界大戦後の1946年に小林秀雄は、「当麻」「無常といふ事」「平家物語」「徒然草」「西行」「実朝」の6編を収める「無常といふ事」を刊行する。しかし、この6編はすべて戦争中、1942年から43年にかけて「文学界」に、この順で発表された…

橋本治「小林秀雄の恵み」(4)《美しい「花」がある。「花」の美しさといふ様なものはない。》

第5章「じいちゃんと私」にいたって、「小林秀雄の恵み」というタイトルに意味が明らかとなる。 橋本治は37歳のときにはじめて、小林秀雄の「本居宣長」を読む。それは「デヴィッド100コラム」という本で「『本居宣長』― 書評」というのを書くためであ…