2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

岡田正彦「がん検診の大罪」(3)前回の続き(統計の話)

前回、高田明和氏の「健康神話にだまされるな」(角川oneテーマ21 2008年8月)に示されている、大腸癌の検診の有用性を、25万人以上の人を便潜血反応検査をおこなう群と行わないない群にわけ検討している例を引用して紹介した。そこでは、検査を…

岡田正彦「がん検診の大罪」(2)血圧を下げても長生きしない

新潮選書 2008年7月 第3章「薬を飲んでも寿命はのびない」をみていく。 まず、血圧の話。いくつかの治験の成績が紹介される。 まずサイアザイド系の利尿剤。1980年オーストラリアのもの。対象は実薬とプラセボあわせて3500人弱(30〜69歳…

今日入手した本

町田康「宿屋めぐり」講談社 2008年8月

今日入手した本

井上章一「日本に古代はあったのか」 角川選書 2008年7月 高田明和「健康神話にだまされるな」 角川oneテーマ21 2008年8月 谷岡一郎「データはウソをつく」 ちくまプリマー新書 2007年5月 佐々木良一「ITリスクの考え方」 岩波新書 2…

今日入手した本

高田里恵子「学歴・階級・軍隊 高学歴兵士たちの憂鬱な日常」 中公新書 2008年7月

今日入手した本

F・ピアス「水の未来」日経BP社 2008年7月 柴田明夫「水戦争」 角川SCC新書 2007年12月

岡田正彦「がん検診の大罪」(1)

新潮選書 2008年7月 こういうタイトルであるが、特にがん検診だけを論じたものではなく、医療の場に存在しているさまざまな「常識」について、それへの疑問を提示したものである。著者の専門は予防医療学ということである。臨床のひとではなく、疫学あ…

S・キング「リーシーの物語」

文藝春秋社 2008年8月 S・キングの翻訳された長編としては最新のものということらしい。なにしろキングの長編であるから、上下巻あわせて700ページほどを4日で読んでしまったが、今までに読んだキングの作品の中では、「骨の袋」と「ドロレス・ク…

小谷野敦「男であることの困難」

新曜社 1997年10月 漱石の「それから」を読んでとても面白かったので、それに言及している本を探しているうちに本書を思い出し、その関連する部分を読み返してみたらとても面白く、それ以外もあらかた読み返してしまった。 多くのひとがそうかもしれな…

今日入手した本

S・キング「リーシーの物語」 文藝春秋社 2008年8月

夏目漱石「三四郎」

あまり面白くなかった。 前半はまだしも、三四郎がうじうじグズグズと美禰子のことを思い続けるだけの後半は退屈である。とにかく、何もしないのだもの。 「三四郎」は田舎の青年が都会にでてきていろいろ経験していく様を描こうとしたのであろう。しかし青…

夏目漱石「それから」

凄い小説。これを今まで読まずにいたなんて。全然、読むのが苦痛でなかった。 読まずにいたのは、ひとつにはこれが「高等遊民」を描いたというようにいわれていて、そんなのはいやだなと思っていたことがある。しかし、ここに描かれているのは「高等遊民」で…

今日入手した本

フォークナー「アブサロム、アブサロム!」河出書房新社 2008年7月 丸谷才一「いろんな色のインクで」マガジンハウス 2005年9月

本日入手した本

月本洋「日本人の脳に主語はいらない」 講談社選書メチエ 2008年4月

夏目漱石「門」

思うところあって、漱石「門」を読んでみた。 漱石の小説は苦手で、「坊ちゃん」以外は読むのが苦痛で、「猫」も「虞美人草」も比較的最近なんとか読み通したのだが、これも通読するのがつらかった。 それならここに感想を記すこともないわけだが、小説とい…

P・F・ドラッカー「ドラッカー わが軌跡」(8) 第15章「お人好し時代のアメリカ」

あちこち寄り道しているうちにドラッカー熱が大分さめてきたので、いずれまたとりあげることもあるかと思うが、とりあえず今回でいったん打ち切りとしたい。それでドラッカーを有名にしたGMの調査といった部分は全部とばして、最終章の「お人好し時代のア…