2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

小谷野敦「日本文化論のインチキ」(補)文化相対主義

第6章のはじめに「文化相対主義の落とし穴」という見出しがあり、小谷野氏は、 1)真実は一つしかないという考え方を否定するひとがいるが、自分は物理的な事実は一つであると考える。 2)それぞれの文化は固有の価値を持ち、他の文化の尺度によってはか…

小谷野敦「日本文化論のインチキ」(4)第4章〜第6章

第4章「「恋愛輸入品説」との長き闘い」で小谷野氏が「恋愛輸入品説」というのは、『明治期に、「恋愛」という概念が西洋から輸入された、日本人はそれまで「恋愛」を知らなかった』というもので、それと小谷野氏は長く闘ってきたという話である。 人文学で…

小谷野敦「日本文化論のインチキ」(3)第3章「日本文化論の“名著”解体」

この第3章は山崎正和氏からはじまるのだが、なぜ山崎氏がでてくるるのかが、いまひとつよくわからかった。あとででてくる和辻哲郎文化賞の話への導入なのかもしれないし、あるいは小谷野氏がみとめる数少ないまともな日本文化論の論者の例としてであるのか…

今日入手した本

ケインズ 説得論集作者: J・M・ケインズ,山岡洋一出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2010/04/21メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 204回この商品を含むブログ (17件) を見る 訳者の山岡氏の解説によれば、スティグリッツやサミュエルソンの教…

小谷野敦「日本文化論のインチキ」(2)第2章「本質」とか「法則性」の胡散臭さについて

ここでは、第1章での日本文化論の多くがインチキであるという指摘が、西洋の学問の一部にもインチキなところはあり、日本文化論のインチキさというのも、その流れの中でみることができるという方向に拡張される。 西洋の歴史から何かの概念を抽出してきて、…

小谷野敦「日本文化論のインチキ」(1)

幻冬舎新書 2010年5月 日本文化論が好きな人間なので、その手の本を相当数もっている。この本は日本文化論をなで切りにした本だろうと思い、自分の感想と比較してみると面白いかなと思って買ってきた。しかし、必ずしもそのような本ではなく、文化比較…

今日入手した本

私の日本語雑記作者: 中井久夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/05/29メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 55回この商品を含むブログ (17件) を見る 一応、中井氏の本は買うことにしているので。