2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

岩田健太郎「「患者様」が医療を壊す」(2)

新潮選書 2011年1月 第一章では医者と患者の対立がテーマであったが、第二章は医療の場におけるそれ以外の対立がとりあげられる。基礎医学者対臨床研究者、量的研究と質的研究、EBM対経験主義、内科医対外科医、ジェネラリスト対スペシャリスト、開…

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養老孟司の大言論〈1〉希望とは自分が変わること (養老孟司の大言論 1)作者: 養老孟司出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/02メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブログ (13件) を見る 養老さんが「考える人」に書いている文章をあつめ…

今日入手した本

パソコンで楽しむ極上のオーディオサウンド (COLOR新書y)作者: 角田郁雄;井上肇;佐々木喜洋出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2010/10/06メディア: 新書 クリック: 18回この商品を含むブログ (1件) を見るiPodではじめる快感オーディオ術 CDを超えた再…

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病院の世紀の理論作者: 猪飼周平出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2010/04/09メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (20件) を見る 最近、岩田健太郎氏の本を読んで、日本の医療制度のことを少し考えていて、その歴史についてあまりに知るとこ…

岩田健太郎「「患者様」が医療を壊す」(1)

新潮選書 2011年1月 著者は感染症の臨床家であり、本書は現代の日本の医療についての著者の見解を述べたもの。とはいっても、本書でも書かれているように、述べられていることの多くには内田樹さんの著書からの影響が強くうかがわれる。ということで、…

長木誠司「戦後の音楽」のなかの「戦後の音楽批評」

この章は他の章にくらべて短く、よく主張したいことがわからなかった。 わたくしには、いわゆる音楽評論家といわれるひとの文章で読むに値すると思われるのは吉田秀和さんのものだけである。吉田氏は音楽を材料にして考えるということをしているだけなのだか…

長木誠司「戦後の音楽」のなかの「戦後のオペラ」

著者は「戦後のオペラ」あるいは「日本のオペラ」には、日本における西洋クラシック音楽受容におけるさまざまな問題が濃縮された形であらわれているという。それはそのとおりと思うのだが、わたくしは最大の問題は、戦後のオペラの聴衆はどこにいるのかとい…

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錯覚の科学作者: クリストファー・チャブリス,ダニエル・シモンズ,成毛真,木村博江出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/02/04メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 445回この商品を含むブログ (39件) を見る 著者らはイグ・ノーベル賞受賞者である。基本…

長木誠司「戦後の音楽」のなかの「合唱とうたごえ」

この章は面白かった。日本の西洋芸術音楽史からつねに排除されてきたものがある。それが合唱音楽と吹奏楽であるという。ともにアマチュアの世界のものだから、と。もちろん、間宮芳生の「合唱のためのコンポジション」や林光の「水ヲ下サイ」などは例外なの…

長木誠司「戦後の音楽」のなかの「日本の十二音技法」

作品社 2010年11月 わたくしは音楽に関しては守旧派であるので、十二音の音楽というのをほとんどきいたことがない。ベルクのヴァイオリン協奏曲などというのも十二音なのだろうか?(そう思って今、ケーゲルが指揮しているベルクの「ヴォツェック」と…

どうでもいい話

本屋さんで黒沢明についての本を立ち読みしていたら、「椿三十郎」の原作である山本周五郎の「日日平安」に「にちにちへいあん」とルビがふってあって仰天した。わたくしは「日々平安」とばかり思い込んでいて「ひびへいあん」と読むのだときめこんでいた。…

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繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)作者: マット・リドレー,Matt Ridley,柴田 裕之,大田 直子,鍛原 多惠子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 173回この商品を含むブログ (58件) を見る 人類の未…

大井玄「人間の往生」(2)

大井氏は「相互独立型自己観」と「相互協調型自己観」ということをいう。「自己が他者とは独立した一つの宇宙である」というような「近代的自我」「アトム的自我」という自己観と、「自己が周囲の他者と切り離し難く結びついた存在である」とする自己観であ…

今日入手した本

戦後の音楽――芸術音楽のポリティクスとポエティクス作者: 長木誠司出版社/メーカー: 作品社発売日: 2010/10/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (17件) を見る 随分と高い本なのだけれど、新聞で三浦雅士さんがほめていたので買ってきた。しかしぱらぱ…

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荒廃する世界のなかで――これからの「社会民主主義」を語ろう作者: トニー・ジャット,森本醇出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 33回この商品を含むブログ (15件) を見る 新聞の書評欄で紹介されていた本。 …