2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

石井均「病を引き受けられない人々のケア」

医学書院 2015年2月 著者は現奈良県立医科大学糖尿病学講座教授。本書のタイトルはかなり漠然としているが、病とは糖尿病のことであり、糖尿病の治療において、患者さんがしばしばドロップしてしまったり、治療に非協力的になることについて、広い意味…

今日入手した本 I・ハッキング「表現と介入」

表現と介入: 科学哲学入門 (ちくま学芸文庫)作者: イアンハッキング,Ian Hacking,渡辺博出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/05/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (11件) を見る ハッキングの本は「何が社会的に構成されるか」と「偶然を飼いならす…

今日入手した本 池澤夏樹個人編集「日本文学全集 20 吉田健一」

吉田健一 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集20)作者: 吉田健一出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/05/14メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 「文学の楽しみ」と「ヨオロツパの世紀末」の長編2編と「「ファニー・ヒル」訳者あとがき」、「ブ…

三浦雅士「文学史とは何か」(丸谷才一全集 第7巻解説)

二段組み15ページほどの文。1〜4で構成される。 1. 丸谷才一は「後鳥羽院」の「あとがき」に「これはひょっとすると、わたしのと国学院大学との関係を記念するために書かれた本かもしれない」と書きしるしている。これは自分と折口信夫との関係の謂い…

今日入手した本 丸谷才一全集 第7巻

丸谷才一全集 第七巻 王朝和歌と日本文学史作者: 丸谷才一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/05/13メディア: 単行本この商品を含むブログを見る この巻は、1.日本文学史早わかり 2.後鳥羽院 3.王朝和歌の系譜 の三本柱で構成されていて、「日本文学…

池田信夫 与那覇潤 「「日本史」の終わり」(4) 第5章「中国は昔から「小さな政府」」

与那覇:中国では昔から、地理的な場に拘束されない人間関係を組織してきた。日本のような家制度であれば、自分の跡継ぎひとりができればいい。しかし中国で科挙に受かるためには一人の子供では全く無力である。父系血縁を同じ同族集団(宗族)とみなすこと…

今日入手した本 岡田英弘「日本史の誕生」

日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫)作者: 岡田英弘出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/06/10メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 54回この商品を含むブログ (34件) を見る 岡田氏の本は結構持っているので、あるいはこの本も本棚…

池田信夫 与那覇潤 「「日本史」の終わり」(3) 第4章「中世に始まる「失敗の本質」」

池田:民主主義は普遍的な制度ではなく、特殊西洋的なものである。近代国家に必須のものでもない。不可欠なのは法の支配。民主主義とは法の支配を徹底するための手段の一つ。 與那覇:世俗権力の分裂と宗教権力の統一が西洋を規定した。世俗権力も統一された…