2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

(9)T・S・エリオット

エリオツトの作品ほど、読んでゐるうちにこつちで何度も態度を変へたのはない。 集英社版の「吉田健一著作集 補巻二」に収められた「T・S・エリオット」いう文章の書き出しである。この「著作集 補巻二」は非常に詳細な年譜が付されていて、それで買ったの…

 日本文学全集 08 日本霊異記 今昔物語 宇治拾遺物語 発心集

日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集08)作者: 伊藤比呂美,福永武彦,町田康出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/09/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (22件) を見る 書店で何気なく 町田康訳の「宇治拾遺…

矢吹晋「文化大革命」

文化大革命 (講談社現代新書)作者: 矢吹晋出版社/メーカー: 講談社発売日: 1989/10/17メディア: 新書購入: 1人 クリック: 71回この商品を含むブログ (15件) を見る 今、トウ小平について読んでいる関係で購入してみた。 面白いのはこの本が1989年に書か…

(8)食いしんぼう・又

水もなるべく飲まないように、などという病気にはなりたくないものである。なったら、腹が減ってたまらなくて、喉が渇き、煙草が欲しくても飲めず、映画の試写会の招待状が来ても出かけて行けなくて、どうにも情けない感じがするだろと思う。 「饗宴」という…

N・フィリップソン「デイヴィッド・ヒューム」

デイヴィッド・ヒューム:哲学から歴史へ作者: ニコラス・フィリップソン,永井大輔出版社/メーカー: 白水社発売日: 2016/01/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 書店でたまたま見つけた本。副題の通りで、哲学者としてではなく歴史家として…

C・カリル「すべては1979年から始まった」 草思社 2015年1月 (1)「日本語版によせて」 プロローグ「激しい反動」 第1章「不安の高まり」

エズラ・ヴォーゲルの「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が刊行されたのが1979年なのだそうである。その頃不況にあえいでいたアメリカに教訓をあたえたいと思ったのだと。シンガポールや台湾や香港、韓国などはすでに日本に学んでいたのだから。 1979…

(7)食いしんぼう

人間は食つてゐなければ死んでしまふのだから・・食ひしんぼうでだけはありたいものである。嫌でもしなければならないことは楽しんでやれた方がいいに決つてゐて、食ふのが人生最大の楽みだといふことになれば、日に少くとも三度は人生最大の楽みが味へる訳…

E・ヴォーゲル「トウ小平」 講談社現代新書

トウ小平 (講談社現代新書)作者: エズラ.F・ヴォーゲル,橋爪大三郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/11/19メディア: 新書この商品を含むブログ (6件) を見る 今読んでいて近々感想をアップする予定のC・カリルの「すべては1979年から始まった」では…

[吉田健一の50の言葉」(6)煙草

何日も煙草がなかつた後で吸ふ煙草程いいものはない。例へば、長い日照りで茶色になつてゐた荒地に雨が降り、草木が緑を取り戻して、小鳥が囀りながら枝からから枝へと飛び廻り、黄菊、白菊が草の中に色を散らすやうなものである。或は、広々と横たはつてゐ…

E・トッド「シャルリとは誰か?」

シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 ((文春新書))作者: エマニュエルトッド,Emmanuel Todd,堀茂樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/01/20メディア: 新書この商品を含むブログ (15件) を見る 今、カリルというひとの「すべては1979年から始…