2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

楠木建氏

勢古浩爾氏が「続・定年バカ」(SB新書 2019)で、楠木建氏の「すべては「好き嫌い」から始まる(文藝春秋 2019)」を紹介して、橘木の好悪を紹介している。 それは、「賭け事はまったくやらない。競技スポーツは嫌い。テレビはみない。」「徹頭徹尾…

勢古浩爾「ぼくが真実を口にすると 吉本隆明88語」(1)

谷沢永一氏の「人間通」(1995 新潮社)を何となくぱらぱらと読んでいたら、この勢古氏の本(2011年 ちくま文庫)を思い出した。「人間通」は、組織の要となり世の礎となりうるための必要条件は「他人の心がわかることである」とする谷沢氏が、その…

読んで来た本 9 (番外) 音楽関係

わたくしは昭和22年の生まれで、小学校入学時にも(今から思えば)まだ敗戦後であり、音楽などというものに接触する機会もほとんどなかった。せいぜいラジオから流れてくる音楽で、今でも覚えているのが、「緑の丘の赤い屋根 とんがり帽子の時計台 が鳴り…

千葉雅也「現代思想入門」(終) 「ポスト・ポスト構造主義」

この文章を書く関係で本棚をごそごそやっていたら、T・イーグルトンの「ポストモダニズムの幻想」が出て来た。1998年刊行だが、わたくしが持っているのは2003年刊の7刷。ポストモダン批判というのは結構売れるらしい。 さらに驚いたのは雑誌「現代…

千葉雅也 「現代思想入門」(8) 現代思想の作り方

第6章は「現代思想の作り方」と題されている。 本書がわかりにくい原因の一つが「現代思想」と「フランス現代思想」という二つの用語が使われていることにあると思う。 この章の冒頭ではこれまで「フランス現代思想」について説明がされてきたとされている…

千葉雅也 現代思想入門(7) 精神分析

第5章はそのはじめに「現代思想の前提としての精神分析」という項がおかれている。そして現代思想がわかりにくい原因の一つはラカンの精神分析が現代思想の前提になっているにもかかわらず、それがとてもむずかしいからだ、ということがいわれる。精神分析…