東浩紀コレクション
宮台真司氏との対談。2001年のものである。 いくつかの問題提起について考えてみたい。 東氏の論その1:戦後日本を振り返ってみると、ある時期に全員が平等だと本気で思ってしまい、結果として学歴社会、競争社会、会社社会が生まれ、今度はその鬱憤を…
仲俣暁生氏との対談。いくつかのことが論じられているが、ここでは一つの論点だけ。 東氏の問題提起:最近ネットで、ネット右翼とか嫌韓厨がでてきて右傾化が進んでいるといわれるが、それは違うのではないか? もともと日本はそういう国だったのではないか…
講談社 2007年12月 「批評の精神分析」は東浩紀氏の対談集である。十一の対談が収められているが、「美少女ゲーム」をめぐる薀蓄を披露している座談会などもあり、そういうものはこちらとしては取りつくべき島がない。しかし、きわめて興味深い対談も…
最近刊行された(講談社2007年8月)「情報環境論集」の前半部分を構成する論文である。2002年から2003年にかけて「中央公論」に連載されたが、今まで書籍化はされていなかったらしい。今回読んでみてとても面白かったが、「存在論的、郵便的」…
今回はp205〜209の「動物化と情報化」。 ここで東氏は、「動物化するポストモダン」での「動物化」というのは、「複雑な人間関係や社会関係抜きで、身体的な欲求を即座に求める傾向」のことを言ったのだとしている。人間回避=動物化なのであるともし…
p260〜267「動物的幸福をめぐる断章」をとりあげる。 東氏によれば、従来はポストモダンという時代は、近代的な桎梏から解放され、高度な情報技術で武装された自由な人間の誕生として、肯定的かつ楽観的に捉えれてきたのだという。しかしポストモダン…
今回は「想像界と動物的回路―形式化のデリダ的諸問題」(p139〜163)の前半の「ハイデガーにおける動物の問題」をとりあげる(後半はラカンを論じる)。前項で、東氏は浅田彰氏は柄谷行人氏ら日本人ばかりを相手にしているなどと書いたが、ごめんさな…
今回は「メタリアル・フィクションの誕生」の補遺(ゲーム的リアリズムの誕生)(p106〜135 2005年)をとりあげる。 そこで東氏は、ポストモダンの時代とは、《自分が信じるものを他人に信じさせることができない時代》であり、さらに厳密に言え…
最近刊行されたばかりの「文学環境論集 東浩紀コレクションL」(講談社 2007年4月)を買ってきてぱらぱらと読みはじめた。古い世代の本好きからみると何だかなあ、という造本の本で、箱に緑と桃色のソフトカバーの本が二冊入っているという奇妙な構成…