本棚の整理

本というのは背表紙が見えるように配架しないと価値が半減するのだが、本が増えてくるとそうはいっていられなくなる。でかなりの本が背表紙が隠れる状態になっていたのだが、最近本棚を一つ増やすことが出来て、かなりは改善することが出来た。 新しい本棚に…

昨日の記事への補足

昨日「わたくしは自分がご主人より先に死ぬと思っている奥様をみたことがない。」と書いたが、これはもちろんご夫婦ともに健康あるいは高血圧・糖尿病・脂質異常症といった慢性疾患はあっても日常の生活は特に問題なく送れているご夫婦の場会であって、どち…

新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に引き下げの日の東大病院

わたくしは今東大病院に通院しているが、たまたま本日が定期通院日で受診の日だった。それで病院のアナウンスを聴いていたら「本日から5類への移行のため従来行っていた入院患者様への面会制限を撤廃し、入院患者様への面会は午後2時から午後7時まで二名…

ポパー ベイトソン

今日の朝刊にカール・ポパーの「開かれた社会とその敵」とG・ベイトソンの「精神の生態学へ」の広告が出ていた。岩波文庫に所収されたらしい。 「開かれた社会・・」は西欧擁護の本であるから、ウクライナの戦争という現時点を反映しての文庫収載なのかもし…

本棚 (あるいは渡部昇一「知的生活の方法」)

暇なのでよくYouTubeを見ているが、そこでの識者?(昔の言い方では文化人?)がいろいろと見解を述べているのを見ると、その人の背後は書棚であることが多い。意見を述べている本人に焦点があたっていて背後の書棚はぼんやりとしか見えないが、わたくしなど…

女性的?

わたくしは大学で2年間初期研修をした後3年目の研修を外の病院でおこない、大学に戻って学位のための研究もどきをおこない、その後また3年目の研修を行った病院に就職し、その後定年までその病院で過ごすといういたって単純な人生をおくったわけだが、その病…

坂本龍一さん

片山杜秀さんの「片山杜秀の本6 現代政治と現代音楽」(ARTES 2013)の冒頭に「坂本龍一と井上ひさし」という文があり、「坂本は日本を代表する著名な作曲家であるが、誰でも知っているメロディをたくさん作っているかというと・・戦場のメリークリスマ…

本の値上がり

今朝の朝日の朝刊に「紙の本の値上げが続く。文庫本も千円超」という記事がでていた。手許にあった吉行淳之介「原色の街・驟雨」(新潮文庫 昭和41年刊)を見てみたら110円だった。1966年だから50年以上前。今はこの文庫本は700円位の値段であ…

上野千鶴子さん(続)

もの好き&ミーハーなものだから上野さん騒ぎはその後どうなっているのかな?と思って見て見たら、以外な展開になっていた。 上野さんの結婚相手は色川大吉さんという学者さんだったらしい。色川氏が学者さんということだけは知っていたが、それ以上は何も知…

日本中がテレビを囲んで 放心している

飯島畊一さんの詩に「日本中がテレビを囲んで 放心している 」というところがある。(飯島畊一「バルセロナ」 思潮社 1976) 何かの国際的な野球トーナメントで日本が優勝したらしい。これからしばらくは新聞やテレビがそれ一色になるだろうと思うといさ…

山田風太郎氏の作品

前回、渡辺京二さんについて書いた時、渡辺さんが山田風太郎さんを絶賛していたことを書いた。それで自分が読んだ山田氏の本をいくつか思い出した。なにしろ超多作家であるからこちらが読んだのはごく一部であるが、思い出すままに順不同で。出版社名なども…

渡辺京二さん

渡辺京二さんが去年末に亡くなられていたらしい。今日の朝日の夕刊で知った。去年12月25日だったということであるが、そのころわたくしは入院中で三日後の28日に退院したので、新聞はみていなかった。しかしネットの記事はみていたが、そこには出てい…

人間と人間以外の動物

今日の朝日新聞朝刊の読書欄にケヴィン・レイランドというひとの「人間性の進化的起源 なぜヒトだけが複雑な文化を創造できたのか」という本が紹介されている。著者は進化生物学者とのことである。人間と人間以外の動物の関係という問題は、これからここでし…

科学的

日本共産党が党首を公選すべきと主張した党員が共産党から除名されたという記事がでていた。共産党は衰退の一途をたどっているわけでいずれ消滅していくのであろうから、このこと自体はどうでもいいのだが(党首を公選にしても党勢が回復するとは思えない)…

上野千鶴子さん

最近、上野さんがちょっとした話題になっているのだそうである。上野さんが実は結婚していたというのがその理由らしい。別にだれが結婚していようとしていまいとどうでもいいことで、余計なお世話としか思えないが、上野さんは最近「おひとり様の○○」という…

大江健三郎さん

大江健三郎さんが亡くなられたらしい。 わたくしは大江さんのよい読者とは言えないが、少し書いてみたい。 一読者の思いとしてはノーベル賞などもらわなければもっと自由に、マイナー・ポエットとは言えないまでも、氏の一番の資質であるとわたくしが思うリ…

社会生物学論争(1)

社会生物学論争は今から50年ほど前に主として欧米でおこなわれた生物学者間の論争である。オルコック「社会生物学の勝利 批判者たちはどこで誤ったか」(新曜社 2004年)の長谷川真理子氏による「訳者あとがき」によれば、「人間の心理や行動の奥に横…

わたくしがまだ若いころと今

わたくしがまだ若いころ、女性は25歳までに結婚しないと行き遅れであるといわれて婚期を逸したとされていた。寿退社という言葉があった。要するに女性は社会・会社の戦力であるとはみなされていなかった。 わたくしの医学部の同期生で女性は10人(1割)…

老人の国

最近の新聞の記事は本当につまらないので、もうとる意味はないようにも思うのだが、それでも取り続けているのは出版広告をみるためということが大きいような気がしている。そしてそれをみると、最近出版される本は老人を対象にしたものがとても多い。今日の…

昭和22年に生まれて

わたくしは現在76歳で、昭和22年生まれ、敗戦後2年である。もちろん、わたくし自身は覚えているはずもないが、日本がまだ極度に貧しかった時代で、わたくしはかなりの未熟児として生まれたのであったのだそうである。小児科医であった父が病院からくす…

後期高齢者

わたくしは現在76歳なので、昨年から後期高齢者の仲間入りである。 小学校の同級で今もその学区内に住み続けている数名で懇親の会?のようなものがありわたくしが幹事をさせられていて、毎年1回くらい会をもっているが、今年の会については、例年の参加者…

今日の朝日新聞の社説

今日の朝日新聞の社説「ウクライナ侵攻1年 戦争の理不尽許さぬ知恵を」はわたくしには何が書いてあるのか文意不明、というか支離滅裂のように思えるものであった。a)まず「ウクライナで日常となっている戦争の現実」が描かれる。 b)「戦争の非道は、弱…

サムライとナデシコ(2)

わたくしは小学校の時は算数少年で、いわゆる文章題(鶴亀算など)は計算間違いさえしなければ間違えることはないと自信を持っていた。しかし麻布中学にはいると、自分より頭がいいのがゴマンといることがすぐにわかり、挫折して、今度は小説ばかり読んでい…

本当の事を言おうか

谷川俊太郎に「鳥羽」連作という詩があって、その最初の「鳥羽 1」に 本当の事を言おうか/ 詩人のふりはしてるが/ 私は詩人ではない という部分がある。第二連の3行である。 わたしがこの「本当の事を言おうか」を知ったのは、大江健三郎の「万延元年のフ…

山の手育ち(3)

庄司薫の「赤頭巾ちゃん 気をつけて」は、安田講堂落城の後、東大入試の中止が発表されてしばらくして発表された。入試の中止などを背景にした作品であるからリアルタイムに書かれた作品である。この小説を読んで、それまでかすかに残っていた「小説でも書こ…

ネクタイ

中学・高校と制服だった。一浪した時は、親が買ってくれた洋服を着ていたが、ネクタイを締めた記憶はない、大学に入って親が嬉しがって作った制服を少しの間は着たが、すぐに着なくなり、後はラフな格好で通していた。 医者になり研修をはじめた時に指導医か…

ロシアあるいはスラブ2

前稿で、『おそらく西洋思想の核心は啓蒙思想であり、啓蒙思想の根は「何が正しいかをわれわれは知ることは出来ない」というものである。われわれになにが正しいかをしることができないがゆえに、われわれは互いに許し合わなくてはならない。』というような…

山の手育ち(2)

吉行淳之介に「戦中少数派の発言」という文がある。昭和十六年十二月八日の太平洋開戦の日の中学五年生の吉行氏の姿を描いた文である。氏は中学は麻布のはずだからわたくしの先輩であるが、当時の麻布はあちこちの学校に落ちた生徒を救済する学校であったよ…

今日の朝日新聞朝刊一面の見出しに感じた違和感

「共和、下院で優勢 粘る民主 上院で伯仲 米中間選 激戦続く」というのが見出しである。違和感を覚えたのは、最後の「米中間選 激戦続く」の部分である。投票はもう終わっていて、開票作業に入っているのだから、戦いは終わっていて、あとは粛々と結果をまつ…

コロナウイルス感染への日本の対応のやり方は世界でも特異なものなのだろうか?(3)

日本などアジア地域での新型コロナウイルスによる死亡率が、欧米地域などと比べて低いということがいわれている。これにも種々原因がいわれているが、いずれにしても、そのことを理由に、ウイルス感染に強権的に対応するか、なるべくゆるやかに対応するかを…