音楽関連

許光俊 「世界最高のクラシック」「生きていくためのクラシック 「世界最高のクラシック」第Ⅱ章」

[光文社新書 2002年10月20日初版] [光文社新書 2003年10月20日初版] 「オレのクラシック」が面白かったので読んでみた。 なんで著者がクラシック音楽を聴くのかというと、「生きているのが退屈で、つまらない」からなのだそうである。「その…

許光俊「オレのクラシック」

[青弓社 2005年7月15日初版] この人の本ははじめて読むが、クラシック音楽について言いたいことを言っているので有名な人らしい。非常に古風なクラシック音楽観をもっている人である。その点では丸山真男などと同じなのだけれど、自分の音楽観がも…

鈴木淳史 「わたしの嫌いなクラシック」

[洋泉社新書y 2005年8月22日初版] 著者の鈴木氏はクラシック音楽愛好家なのではあるが、当然のこととして、あらゆるクラシックが好きというわけではない。この曲は嫌い、あの演奏家も嫌い、ということがある。それはなぜなのか、といったことを書い…

青柳いづみこ 「ピイアニストが見たピアニスト 名演奏家の秘密とは」

[白水社 2005年6月20日初版] 自身ピアニストである青柳氏が、リヒテル、ミケランジェリ、アルゲリッチ、フランソワ、バルビゼ、ハイドシェックの6人のピアニストについて論じたものである。わたくしはバルビセというピアニストについてはしらず、フ…

クルト・マズア指揮 ショスタコーヴィッチ「交響曲第五番」

[LPOー0001 輸入版] たまには本の感想以外も。 昨年初旬、マズアがロンドン交響楽団を指揮した演奏会のライブ録音である。 偶然にCD店でみつけたものであるが、「最終楽章の異様な遅さ!」というような宣伝文句につられて買ってきた。 ショスタコー…

石原俊 「いい音が聴きたい 実用以上マニア未満のオーディオ入門」

[岩波アクティブ新書 2002年5月7日 初版] しばらく前にiPod miniを買ったので、久しく縁が遠くなっていた音楽と接する機会が増えてきた。iPod からイヤフォンで聴く音は予想以上のいい音で、音自体に不満はないのだが、イヤフォンで聴くと音楽が頭の中…

雑誌「考える人」2005年春号 特集「クラシック音楽と本さえあれば」(新潮社)

雑誌「考える人」は創刊以来、一応買い揃えるようにしている。その最新号が面白かったので、単行本ではないが、とりあげてみることにする。 この号の特集は「クラシック音楽と本さえあれば」である。そこに「わたしのベスト・クラシックCD」という、いろい…

青島広志 「作曲家の発想術」

[講談社現代選書 2004年8月20日初版] 青島氏は昔ちょっと名前をきいて最近ほとんど耳にすることのない作曲家である。本書によれば全然注文がこないのだそうである。 前半は作曲家としての履歴。真ん中が自分の曲をふくむさまざまな楽曲の紹介。最後が…

石井宏 「反音楽史 さらば、ベートーベン」

[新潮社 2004年2月20日初版] バッハ、ハイドン、モツアルト、ベートーベン、シューベルト、ブラームス・・・、クラシック音楽史のビッグ・ネームのほとんどをドイツ人が占めているが、これは後世のドイツ人が捏造した音楽史をわれわれが鵜呑みにして…

矢野 暢「20世紀の音楽 意味空間の政治学」

[音楽之友社 1985年4月10日初版] 政治学者の矢野暢氏が書いた20世紀音楽論である。昭和60年刊行の本であるが、音楽と政治というようなことを「丸山真男 音楽の対話」を読んで考えているうち、読みかえしてみたくなった。 本の半分がショスタコー…

カール・ポパー 「果てしなき探求 知的自伝」の<音楽論>

[岩波同時代ライブラリー 1995年12月15日初版 1978年岩波現代選書] 丸山真男の音楽論は、本人の自負にもかかわらず、存外、常識的で新味のないものであるように思われた。それを読んでいるうちに、久しぶりにポパーの音楽論を読み返してみたくな…

中野雄「丸山真男 音楽の対話」

[文春新書 1999年1月20日初版] 音楽愛好家としての丸山真男を語った本。 たしかに半端ではない音楽好きである。なにしろ「指輪」全曲のスコアに対訳をつけ、詳細な書き込みをしていたというのだから、そこに費やされた時間は膨大なものであったに違い…