今日入手した本

藝文往来

藝文往来

 
  著者は小澤書店の社主であったひとである。小澤書店は吉田健一の「定本 落日抄」「ラフォルグ抄」「葡萄酒の色」など、あるいはいくつかの随筆集などの立派な美しい本を出したところとしてわたくしの記憶にはある。この本もまた美しい。現在の本には珍しく箱入りである。自分の書棚を見てみると、昔の本はほとんどがみな箱入りである。単行本が箱入りでなくなったのはいつ頃からなのだろう。もちろん出版不況が関係しているのであろうが、その頃から本造りへの情熱が薄れ、それによってさらに本の売れ行きが落ちてきているというようなことはないのだろうか? 吉田健一をふくむ作家・詩人・批評家についての短文を収めたもの。