今日入手した本

思想としての3・11

思想としての3・11

 いろいろな人が、3・11について語っている本。ざっとみたところでは加藤典洋さんの「未来から不意打ち」が面白い。「未来からの不意打ち」というような言い方が大袈裟だとは思うのだが、メディア批判も同感。「報道を見て、すぐ、戦争中もこうだったんだろうなと思いました。」 同感。「がんばろう、日本!」なのだから。「節電!」というのも、ほとんど「欲しがりません、勝つまでは!」である。それから氏のいう「人文系の知的メディアと自然科学系の知的メディアの落差」。池田清彦さんや養老孟司の言説と中沢新一さんのナルシスティックな論の差!、と。養老氏がよくいう「文系の奴らは!」というのがわかるという。これまた同感。本書を読むと、黙示録的な大言壮語をしている人文系の人が実にたくさんいる。現在の状態がうれしくて仕方がないように見える。どうもまたぞろ「資本主義と分裂症」あたりが復活するらしい、「資本主義/国民/国家に対抗し、機構/装置を解体/再編する志向性」などという既視感のある文章がぞろぞろでならなんでいる。40年くらい前の大学構内の立て看によくあったような気がする。本当に「文系の奴らは!」である。
 
文学ときどき酒 - 丸谷才一対談集 (中公文庫)

文学ときどき酒 - 丸谷才一対談集 (中公文庫)

 丸谷才一氏の対談集。すでに読んでいるものもたくさんあるのだが・・。