今日入手した本

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 以前は年末になると、「このミス」だとか「文春」などのリストを見て、その年に評判になったミステリを数冊、正月休みに読んだりしていたものだった。最近はそういうことをしなくなっていたが、たまたま「週刊文春」の海外ミステリの一位にこれがなっていたので、買ってきてみた。売れない小説家が主人公というのが面白いかなと。
 まだ三分の一くらいだが、えらくまっとうである。まっとうというのは、時間が前に進んでいって、その過程で何かが明かになってくるという小説の定法どおりに進んでいるということで、もうそろそろ何か変化球がこないと少し退屈になりそうである(起承転結の転がなかなかあらわれない)。
 以前、毎年末に数冊読んでいたころは日本と海外の作品のレベルがあまりに違うのに歴然としたものだった。海外のミステリでは、読者が自腹を切って読む小説のレベルというものにはある一定の水準というものが要求されているようで、選ばれていたものを読んで、ひどいはずれというのには当たったことがないよう思うのだが、日本のものはよくまあこの程度のものを本にしたが結構あった。あちらのほうがリアリズムというものへの要求の水準がずっと高いのではないかと思う。