その9 チェロ

 
 チェロを買った。
 10年くらい前サイレントチェロというのを買おうかと思ったことがあったが、結局買わなかった。
 今回、管理職引退記念というわけではないのだが、何となく買ってしまった。今更習おうという気もないので、旋律を弾けるとこまではいけず、多分、音を出すまでで終わってしまうだろうが、まあぼちぼちいじっていくつもり。
 ピアノという楽器は旋律だけ弾いたのでは面白くもなんともなく、両手で弾いてはじめて一人前という感じであるが、弦楽器は旋律だけ弾いても(上手であれば)まあ聴けるし、ヴァイオリンよりもチェロの方が単独の楽器としては表現力が高いと思う。それでチェロの独奏曲がそれなりの数あるのであろう。
 まだ箱から出しただけであるが、見ているだけでも綺麗なものだなあと思う。しかし、これで弾かなかったら粗大ゴミである。ケースに入れて飾ってもしかたがないし。
 練習したら近所迷惑であろうなあと思う。それ以前に家族迷惑。しかし、迷惑になるほどの音を出すのだって大変なのかもしれない。それでネットをみていたら弱音器ではない消音器などというのがあった。こういうものは10年前にもあったのだろうか? 音が五分の一になって、深夜でも練習できますなどと書いてある。いろいろなものがあるものである。
 ブルネロの「アローン」からリゲティの「無伴奏チェロ・ソナタ」を聴きながら書いている。6月28日はブルネロ・サイのコンサート。楽しみである。