今日入手した本

村上龍「55歳からのハローライフ」
      幻冬舎 2012年12月
 
 龍さんがこんな本を書いていたのは全然知らなかった。でもなんだかなあである。短編集。
 タイトルは「13歳のハローワーク」だし・・。まだ最初の一つしか読んでいないが、まるで「人生相談の回答」の小説化みたいである。「最後の家族」の延長線上にあるもののように思うが、龍さんがこんな小説書く必要は全然ないのに。
 多分、村上龍というひとはそんなに小説を好きではないひとのように思う。春樹さんのほうは小説を好きで勉強も猛烈にしているように思うのだが、龍さんは、経済や社会を猛烈に勉強して、小説はその勉強でえた「情報」を提供するための単なる容器になってしまっているのではないだろうか? 
 文学青年のような時期を持たなかったひとなのであろう。才能だけが本物で、それで「69」や「昭和歌謡大全集」を書いていたころは本当に幸せそうだった。だがこの「55歳・・」では全然そうは見えない。
 村上龍でなければ書けない小説というのはもっと別のところにあるように思うのだが。

55歳からのハローライフ

55歳からのハローライフ