吉田健一の文庫本

 いつの間にか、本棚の吉田健一の文庫本が30冊近くになっていた。単行本や全集、集成などで持っている本ばかりだし、仮名遣いが現代仮名遣いになっているので、本当は買う必要はないのだが、それに付されている解説を読むのが楽しみで買っている。文庫の解説というと頼まれたから書いたみないなものも多いが、吉田氏の本の解説はみな熱がはいっていて書きたくて書いていると思えるものがほとんどである。
 講談社文芸文庫が18冊、ちくま学芸文庫が4冊、ちくま文庫2冊、岩波文庫3冊、光文社文庫1冊、河出文庫1冊であった。
 吉田健一は死んだら忘れられてしまう作家なのではないかと思っていたのだが、中村光夫福田恆存などにくらべても格段に読まれているようである。不思議である。