今日入手した本

 岡田氏の本で最初に読んだのが何であったかもう覚えていないが、とにかくとても感心し、それでかなりを集めたので10冊くらいは持っているのではないかと思う。
 とにかく面白いのではあるが、傍にはいてほしいとは思わないひとで、自分が馬鹿に思えるのはまだしも、氏がこちらを馬鹿にしていることもすぐわかってしまうであろうと思うのである。そういうひとが日本の学問の世界のなかでどのような扱いをうけるかはもう見えているようなもので、自分でも「日本の学会では孤立し」と書いている。「私の学問が既存の枠組みにおさまらないのは、私が他人と同じことをしようと思わなかったからだ。すでに他人が歩いた道をなぞっても、行く先は決まっている。それより、自分の目で見、自分で感じたことを追求していく方が、真理に近づく確率は高い」などと書くひとが日本の学問世界に棲息できるとも思えない。「真摯に学問に取り組めば取り組むほど、私には「学界」なるものが、相互研鑽の場ではなく「同業組合」に見えてきたからである。私は「群れる」ことができない性質なのを痛感しつつ、学者人生を過ごしてきた」ともいう。嫌がられるだろうなあと思う。14ヶ国語をよくするのだそうである。日本語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ラテン語、古典ギリシャ語、漢語漢文、ハングルの韓国語、満洲語、モンゴル語チベット語サンスクリット語、マレーシア語。すべて流暢に話せるというわけではなく、文法を覚えて辞書を引ける言葉も入れてと謙遜?はしているが。やはりいやなひとである。ではあるが、あちらこちらと飛ばし読みしているだけでも、面白い。
 これは全8巻の第一巻。年4回刊行とあるから、2年がかりである。藤原書店というのはこういう売れそうもない本ばかりを出してどうやって経営を成り立たせているのだろう。それが不思議である。