今日入手した本
- 作者: 井沢元彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/10/10
- メディア: 単行本
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ざっとみたところでは、幕末の混乱、特にその攘夷思想と昭和前半の極端な精神論の横行とをパラレルなものとして見ていこうというもののようである。この昭和前半期の問題については、1年くらい前、片山杜秀氏の「未完のファシズム」などによって少し考えてみた。徳川260年の鎖国の間に一向に進歩改良がなされていなかった武器で、最新の装備の西洋の軍と戦うというのは合理的に考えれば誰にでもわかる勝ち目のない戦いである。同様に38式歩兵銃(明治38年製)でアメリカと戦うというのも誰が考えても勝ち目はない。片山氏の論考は勝ち目がないとわかっていたからこそ、その差を補うために合理的思考の極致として非合理な精神論がでてきたのだというものであった。一方、井沢氏は幕末の攘夷論者(のほとんど)は本当にその時代遅れの兵器で勝てるのだと思っていたのだという。日本は神州なのだがから、神州は不滅なのだから。それをもたらしたものが朱子学であったとする。さて、それなら昭和前期もまた朱子学だったのかなあということがよく分からない点である。