今日入手した本
- 作者: 酒井順子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/11/15
- メディア: 新書
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ユーミンについては、変な声で歌う歌の下手な人という印象しかなく、あの声で「小さな頃は神様がいて・・」とか歌われてもねという感じ。どうも生理的にあの声を受けつけないらしい。だから、その歌をまったく知らないわけではないが、ここで酒井さんが紹介している歌のほとんどは知らない。
この本も「負け犬・・」の続編のようなもので、ユーミンが負け犬をつくったというような本である。酒井さんのいっていることは負け犬にも五分の魂といったことで、胸をはるわけでもなく卑屈になるわけではなくその微妙なさじ加減が絶妙。
これを読むと女の人って大変だなあと思う。昔、三浦朱門さんがあるところで、一日に10回は男に生まれて良かったと思い、一日に10回は女に生まれなくてよかったと思う、というようなことを書いていたが、本当にそうで、女のひとの人生に占める恋愛の比重は男の比ではないようなのである。面倒だろうなあと思う。それに比べれば男の生は単純(つまりは馬鹿ということだけれども)。
酒井さんは自己陶酔とかには縁がなさそうで、辛辣な批評的視点を持つひとで、そういう点は男っぽいひとなのかもしれない。本当はどんな人かは知らないけれど、写真だけでみると酒井さんというひとはいかにも草食系という感じのひとである。文体もそんな印象。文章家。この本のタイトルもちゃんと韻を踏んでいる。芸のあるひとである。