今日入手した本
- 作者: 宮本光晴
- 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
- 発売日: 2014/04
- メディア: 単行本
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おそらく本書のその延長にあるもので、「日本型システム」というのはなかなかしぶといものなのだぞということを主張したものなのではないかと思う。
1990年代以降の経済危機のなかで、日本型システムはもう駄目であるとか、いや市場原理こそが日本を滅ぼすといったまったく対立する主張がお互いに相手を非難しあう状況が続いているが、本書で主張されているのは、実際におきているのはそのどちらでもなく、日本企業の固有の経路にそった漸進的な変化であるということのようである。
わたくしは保守主義というのは変化は仕方がないが、変化はなるべくゆっくりであるほうがいいというものであると理解しているので、本書は保守主義の書ということになるのではないかと思う。
ここでいわれている日本企業の固有の経路というのは主として長期雇用のことをいっているようである。
その主張を声高に述べるのではなく、いろいろな調査からえられた数字から示していくというやりかたなので、いささか回りくどい。わたくしとしては、もう少し自分の意見を前面に押しだしたほうが読みやすい本になるのはないかと感じた。しかし、著者はそういうことが苦手な謙虚なかたなのであろうと思う。
わたくしが産業医という仕事をしていることから読んだ本。