今日入手した本

  

遺伝子と文化選択: 「サル」から「人間」への進化

遺伝子と文化選択: 「サル」から「人間」への進化

 同じ著者の「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか」が面白かったので。「遺伝子・・」のほうが今年の刊行であり、後から書かれたもの。
 巻末の「参考文献」はほとんどが2000年以降の「Science」や「Nature」などの原著論文である。もちろん著者はこれらすべてに目を通しているはずで、必ずしも著者の専門分野の文献ばかりではないはずだから、それを理解するために勉強しなくてはいけないこともまた多いはずである。著者の努力に本当に頭が下がる。
 だが、こういう勉強の過程で何かがわかってくるという経験は本当に楽しいものだろうなとも思う。人間が経験できることのなかで一番楽しいことの一つが「ああ、そうなのか!」「そういうことだったのか!」という思いをすることで、そう感じたからといってだからどうなるというものではないのだが、「朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり」という言葉がまんざら他人事でもなく思える濃密な体験である。著者は本書あるは前著を書いている過程、あるいは書くために準備をしているときに、何度かそういう経験をしているはずである。
 本書あるいは前著を読むということは、そのお裾分けをいただけるということである。「われわれは・・」の感想は準備中。