今日入手した本

女ごころ (ちくま文庫)

女ごころ (ちくま文庫)

 たまには小説を読んでみようかなと思って。
 最初の第1章を読んだだけだが、非常に展開が早い。最近の小説はもたもたしすぎているのが多いのではないだろうか?
 
はじめて読む聖書 (新潮新書)

はじめて読む聖書 (新潮新書)

 何人かのひとの聖書論を集めたもので、雑誌「考える人」に載ったものを編集したものらしい。もっぱら橋本治さんの「旧約的なものと新約的なもの」を読むために買ってきたようなものだが、吉本隆明さんの「マタイ伝を読んだ頃」も面白い。
 治さん語録。
 「聖書って基本的に命令の言葉で綴られているじゃないですか。・・断定的に、ある種の命令がつぎつぎと出てくるじゃないですか。私は西洋の思想関係の本がまったく読めないんですけれど、それと感覚が似ている。旧約聖書は歴史でもあるんだけど、「かく生きねばならない」的な歴史でしょう。神の強い命令が前提にあるのだと思う。」
 「科学というのはキリスト教の呪縛から生まれたものなんじゃないかと思うんです。」
 「仏教というのは、「はじまり」についてなんか考えなくて、存在しているものをいきなり肯定してしまう。」
 「「いまはつらいけれど、もういっぺんやり直せると考えたら楽になる」というのは、近代自我というものに取るつかれた末の処方箋です。」
 「ヨーロッパの物の考え方の枠組みというか原型が、聖書によってできているんだと思う。」
 「自分のなかにおさまりきらない罪の意識が、懺悔によって楽になる。・・このカトリックの懺悔のシステムが仏教にはなかった。」
 「神道というのは旧約聖書的で、仏教は新約聖書的なんですよ。」
 「江戸時代的な日本人には、宇宙の始まりとか何とかって考える能力はないんですね。考えなくてもいいんだもの(笑)。」
 「江戸時代にタルムードはあったけれど旧約聖書はないんです。」
 「律令旧約聖書的なものとして残ったんじゃないかな。」
 「結局日本には旧約聖書的なものは合わないんだと思う。」
 「出来上がっているところから始まる神話なんて、ふつうはないじゃないですか。」
 「キリスト教は、生活と切り離されて心の問題になりすぎてしまったところがあるんだと思うんですよね。」
 
 「結局日本には旧約聖書的なものは合わないんだと思う」という断定が凄い。
 
ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義

ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義

 最近、少し、「私的」と「公的」というようなことを考えていて、「人間の条件」を読み返そうかと思っているので。