今日入手した本

W&J・マクニール「世界史」1 D・クリスチャン「ビッグヒストリー入門」

世界史 I ── 人類の結びつきと相互作用の歴史

世界史 I ── 人類の結びつきと相互作用の歴史

ビッグヒストリー入門-科学の力で読み解く世界史-

ビッグヒストリー入門-科学の力で読み解く世界史-

 最近リーバ―マンの「人体600万年史」を読んでいてとても面白く(今、下巻に入ったところ)、それで書店でこんな本をたまたまみつけた。リーバ―マンの本は進化の歴史を健康とか病気との結びつきでみていくものであるが、マクニールらの本は「ウェブ」(人と人の結びつき)という概念から世界史を外観しようとするものである。クリスチャンのものは宇宙生成から地球の歴史さらに人類の歴史までを一冊の大して厚くもない本に一筆書きで叙述してしまおうとするものらしい。クリスチャンのものはちらっと見た限りではあまりに一筆書きすぎて、例えば「われわれの体を構成する化学物質は、大きな恒星の消滅と引き替えにしてこしらえられたのだ。超新星爆発が、化学反応を可能にしたのだ。/ それがなければ、われわれはもちろん、地球も存在しなかった」という文章は、それを理解するには何冊もの分厚い本を読み込まなければいけないはずで、ここに書かれている文章だけでは、ただそれを信じろということになってしまう。知識は増えるのかも知れないが、理解には至らないのではないかと思う。一方、マクニールらの「ウェブ」という観点はあまりに漠然としすぎているように思えるが、一つの視点あるいは補助線からある物事を見ることは、今までにない何か新しいものを見せてくれる可能性はあるように思う。全2巻らしいが、「1」だけで「2」はでていないようである。