今日入手した本

片山杜秀「見果てぬ日本」

 片山さんの本なら面白いだろうというので買って来たというだけで、まだ何も読んでいない。司馬遼太郎も小説はほとんど読んでいないし、小津安二郎の映画もほとんど見ていないし、小松左京も読んでいない。ということでうまくとりつけるかは不明。
 
橘玲「「読まなくてもいい本」の読書案内」 橘氏の本は面白いのだけれど、微妙に違和感を感じるというか何かひっかかるものを感じるのも事実である。この方、熱くならないというか、熱くなっても冷静というか、斜に構えているというとは違うのだけれど、どこかシニックな感じがするようにも思う。
 この本は、高校生や大学生、若いビジネスマンのためのものと書かれているということで、わたくしのような70前のおじさんのためのではなく、そもそも、《「日本の社会に深くビルトインされている「差別」を改革することを阻んでいる、日本人・中高年・男性・一流大学卒・正社員(終身雇用)という五つの属性を持つアタマの固いおじさんやおじいさん》という条件をすべてを充たすわたくしは、既得権の代表ということになるのだから、この本をも読むこと自体が変なのかもしれない。
 「複雑系」「進化論」「ゲーム理論」「脳科学」「功利主義」の5つの分野の本を紹介している。「進化論」と「脳科学」の本は好きで割合に読んでいるが、「複雑系」は昔、フラクタルというのが流行ったときに囓ったことがあるし、マンデルブロという名前くらいは知ったが、基本的に数学が苦手なためかなじめなかった。「ゲームの理論」もまた同じ。「功利主義」は清水幾太郎の「倫理学ノート」を読んで興味を持ったのだが、うまくとっかかりをつかめずにいる。
 「人文系の大学で教えている学問(哲学や心理学、社会学法律学、経済学のこと)のほとんどがもはや時代遅れになっている」というのは本当だろうなと思う。教養などというのがまったく無意味であるのは確かだとは思うが、しかしそういう時代遅れを維持保存しておく場所というのもまた必要で、無意味なことを面白がる人が生きられる場というのもまた必要な気もする。そして時代遅れと思われていたものの中から新しい何かが生まれてくることも、まったくないとは言えないように思う。めったにないことではあろうが・・。