S・ワインバーグ「科学の発見」 L・ムロデォナウ「人類と科学の400万年史」
- 作者: スティーヴンワインバーグ,大栗博司,Steven Weinberg,赤根洋子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/05/14
- メディア: 単行本
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はじめて科学哲学といった分野に接したの二十歳のころだから、もうほとんど半世紀前である。村上陽一郎さんから入ったが、なんと面白い学問なのだろうと思ったものである。村上さんの本は書棚に7〜8冊ある。クーンやファイアアーベントの翻訳なども読んだが、結局この分野ではポパーで止まったので、科学哲学のなかではもっとも西洋派の信者でいるわけである。
まだイオニアあたりを論じている第3章までしか読んでいないが、「ソクラテス以前の自然哲学者には、見かけ上の世界の理解を一段低く見なすという、知的スノビズムの傾向があった」とか「彼らのうちの誰も、自分の理論を実際に確かめようとはしていない」といって、「だから、どうやってそれを知ったのか」という疑問が残るとし、彼らはむしろ詩人とみなされるべきである」としている。「世界は整然としてわずかな数の自然法則で説明できると深く確信する」という「イオニアの魔術」などは信じないわけである。
21世紀は一方ではモダンに回帰し、もう一方ではオカルトに傾斜するという分裂を深めていくことになるのだろうか?
- 作者: レナードムロディナウ,Leonard Mlodinow,水谷淳
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/05/14
- メディア: 単行本
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