日本文学全集29「近現代詩歌」 H・G・フランクファート「不平等論」
- 作者: 池澤夏樹,穂村弘,小澤實
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/09/24
- メディア: 単行本
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池澤氏の詩人の選択はきわめて真っ当なもので、島崎藤村、伊良子清白、高村光太郎、北原白秋、萩原朔太郎、室生犀星、日夏耿之介、堀口大學、佐藤春夫、西脇順三郎、金子光晴・・。北村初雄という知らないひとがそこででてくるが、あと、井伏鱒二、安西冬衛、吉田一穂、三好達治、中野重治、山之内獏、伊藤整、中原中也、天野忠・・。それぞれの詩の選択も穏当である。「初恋、小諸なる古城のほとり」「漂白」「樹下の二人」「砂の枕」「秋刀魚の歌」「春の岬、乳母車」・・。ちょっと気に入らないのが中村真一郎や福永武彦、原條あき子らの「マチネ・ポエティク」の詩をおさめていること。これらは詩になっていないと思う。お父さんを気にしすぎ。そしてもっとも気に入らないのが池澤夏樹という方の詩を収めていること。まったくつまらない作なのだもの。
短歌とか俳句は全然知らないので、このようなアンソロジーはうれしい。しかし、ここに採られなかった人から選者はうらまれるだろうなと思う。俳句はそれを考慮してか現在すでに没しているひとだけを選んでいる。ちなみに短歌で俵万智はとられいない。
- 作者: ハリー・G.フランクファート,Harry G. Frankfurt,山形浩生
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2016/09/12
- メディア: 単行本
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