長谷川真理子 山岸俊男 「きづなと思いやりが日本をダメにする」

 長谷川さんの本は結構読んでいるほうだと思うのだが、この本は知らなかった。後輩に教えられた。まだ1/3ほどしか読んでいないが、今のところ特に新しい話は出てきていないように感じる。日本の役人や政治家の論は精神論ばかりと言って長谷川さんは怒っている。対談相手の山岸氏は心理学者らしい。わたくしは知らなかった方。進化論は好きだが、心理学は苦手である。プレマックの「心の理論」は心理学に属するとは思えないのだが。
 
鹿島茂「ドーダの人、森鷗外 どうも、「森鷗外=中間管理職説」を説くものらしい。新鮮である。
 鷗外というひとは絶対に傍にいてほしくない人の典型のようなひとで、だから漱石と違って、弟子だかとがいないのであろうが、その鷗外を最大限共感して論じた山崎正和の「鷗外 闘う家長」の方向(鷗外は自己の空虚を自覚しながら、それに耐え続けた・・)と、傲岸の人・帝国陸軍総監としての鷗外を描いた坂内正氏の「鷗外最大の悲劇」の方向(官学の人、官僚としての鷗外)の間においてみれば、明らかに後者に接近しているのであろう。「ドーダの人、小林秀雄」の感想も中断している。再開せねば。
 
ペジック「近代科学の形成と音楽」
近代科学の形成と音楽

近代科学の形成と音楽

 いくつかの新聞の書評にでていた。西欧の秘密を解く鍵はクラシック音楽の中にあるのではないかと思っているので、こういうタイトルの本をみるとついつい買ってしまう。著者は科学史家にして音楽家というかわったひとのようである。まだまったく読んでいない。