木村凌二「教養としての世界史の読み方」

- 作者: 本村凌二
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2016/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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その「はじめに」のなかに、ローマ帝国の社会は江戸時代の後期の社会と並べてみると理解しやすいという意表をつく言葉が早速でてくる。
最初のほうに「「文明は都市」「文化は農業」と密接に結びつく」というところがある。吉田健一のキーワードの一つが文明であると思うのだが、氏は農村共同体的なもの、あるいはもっと敷衍して共同体的なものを徹底してきらった人だったと思う。典型的な都会の人だったということだと思うが、わたくしもまた東京で生まれて東京で育った人間なので農村的なもの、あるいは共同体的なものが苦手である。昔、読んだ山本七平さんの言葉に「日本ではある程度の規模の集団がうまく機能するためには共同体化しなければならない。単なる機能集団にとどまったのでは、かならず行き詰ってしまう」というのがあってずっと頭に残っている。会社であれば、本来はある利益をあげるという目標のために集まった集団であるはずなのだが、単にそれだけではだめで、極端な場合には、それぞれ働くひとに「生き甲斐」まで提供することが期待されてしまう。昨今、問題になっている東芝の問題であるとか過労死の問題であるとかは結局そこの問題に帰着してしまうのではないかと思う。
目次をみるだけでもいろいろと面白そう話題がならんでいる。
C・クラーク「夢遊病者たち」1、2

- 作者: クリストファー・クラーク,小原淳
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2017/01/26
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- 作者: クリストファー・クラーク,小原淳
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中井久夫集 1 「働く患者」

中井久夫集 1 『働く患者――1964-1983』(全11巻・第1回)
- 作者: 中井久夫
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2017/01/17
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