アトランティスのこころ

このところ暇しているのでアマゾンで映画「アトランティスのこころ」をみた。
 これはスティーブン・キングの「Hearts in Atlantis」を映画化したもので、「黄色いコートの下衆男たち」「アトランティスのハーツ」「「盲のウイリー」「なぜぼくらはヴェトナムにいるのか」「天国のような夜が降ってくる」の五つの微妙に繋がった話の中から最初の一番長い「黄色いコートの下衆男たち」を中心に映画化したものである。映画は「アトランティスのこころ」というタイトルで上映され、映画と同時に出版された翻訳も「アトランティスのこころ」というタイトルで出版されたが、翻訳では「アトランティスのハーツ」となっているようにこのハーツはトランプ遊びである。ここではヴェトナム戦争を背景に、「ハート遊び」に惑溺して自堕落な大学生活を送る大学生活が絵が描かれる。
「黄色いコートの下衆男たち」がキングが「スタンド・バイ・ミー」(原題は「死体」)などで得意とする少年が大人になる物語であるので、それに特化したあるいは純化した映画はそれなりに成功しているが、キングの原作はその子供時代と対比して子供と大人になりかけの大学生時代・その後のただの大人としての苦い生活という成長あるいは対比という苦さを欠いたものとなっているので、その点やはりキングの原作よりは浅いものとなっているように感じた。

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