山田風太郎氏の作品
前回、渡辺京二さんについて書いた時、渡辺さんが山田風太郎さんを絶賛していたことを書いた。それで自分が読んだ山田氏の本をいくつか思い出した。なにしろ超多作家であるからこちらが読んだのはごく一部であるが、思い出すままに順不同で。出版社名なども省略。
●警視庁草紙:晩年の一連の明治開化ものの一つ。おそらく氏が一番書きたかった作だったのではないかと思う。週刊新潮に連載されていたような記憶があるが、記憶違い?
●戦中派不戦日記:超愛国青年であった若き日の日記。このころから氏がとにかく書く人であったことがわかる。
●人間臨終図巻:様々な有名人の死を描いたもの。
●妖異金瓶梅:明代中国の奇書「金瓶梅」の主人公のひとり潘 金蓮を主人公にした小説。とにかく面白い。
●室町少年倶楽部:室町の時代の権力者の幼年時代を描く。
●魔界転生:島原の乱を一応の背景とした壮大なホラ話。
●同日同刻:太平洋戦争の開戦の日と終戦の日の様々なひとの動向を描く。
●あと千回の晩飯:もう後、生きて3年かな?という晩年のエッセイ
●幻燈辻馬車:晩年の明治物の一冊。敗者に与する山田氏の姿勢がよくでた小説。これまた滅茶苦茶に面白い。
●風々院風々風々居士:森まゆみ氏との対話の本
●戦中派天才老人山田風太郎:関川夏央氏が山田氏にインタビュー?している本。これをみると実生活において氏は奥さんがいないと何もできないひとだったようである。司馬遼太郎氏も同様だった疑いがある。開化期の明治をどうみるかについては正反対であった両氏がともに生活においては似ていたらしい。
山田氏の本をまだ読んでいない方があれば、何か一冊を! 警視庁草紙 妖異金瓶梅 魔界転生あたりの小説からはいるのがやはりおすすめだろうか?
以上、まったくの余計なお世話であるが。