2016-11-03から1日間の記事一覧

辻原登「籠の鸚鵡」

新潮社 2016年9月 辻原氏は19世紀の発明である小説を信じているひとなのだと思う。19世紀の小説は西洋が発明した個人とかかわるもので、市井の平凡の人間のなかにも神話の英雄に勝るとも劣らないドラマがあるのだという信念に基づく。ところが20…