ブログを始めたころ

 わたくしがブログを始めたのは野口悠紀雄氏の「ホームページにオフィースを作る」(「光文社新書 2001年11月」)読んでであるから今からもう20年以上も前のことである。)
 そこで野口氏が言っていたのは「ホームページを作っても誰も読まない。しかし自分は読む。ホームページは自分に必要な資料をネット空間上に置き、何時でも自分が参照できるようにすることである。ネット上に自分のオフィースを作ることである。」
   
 確かに出先で、何かわからないことが出てきて、そういえばこのことは何かあの本出ていたというような場合にそれを参観できれば便利である。
 今ではある本の内容を出先で調べることは容易であるが、当時はそれは簡単ではなかったし、それに自分がどういう感想を抱いたかはそこには書いてはいない。
   
 ということで始めた当初は他人から読んでもらうなどまったく期待していなかった。
   
 もう一つ梅田望夫氏の「ウエブ時代をゆく ―いかに働き、いかにまなぶか」(ちくま新書 2007年)がある。梅田氏はネット世界のトラブルでこの世界から身を引かれてしまわれたようであるが、当時はその世界にまだ希望を抱いておられたようで、以下のようなことを書いておられる。
 「あるとき私は「これは凄い書評だ」と目を瞠るような文章に出会った。ブログ筆者は内科医を三十年以上続けてきた団塊の世代の方だと知った。・・・教養レベルが高く中間層の厚い日本社会には、そんな潜在知が顕れ始めている。」
   
 わたくしは少数派であることを自認しているわけで、多数派であると思うのであれば、屋上に屋を重ねる必要はない。
   
 今では一日100名程度の方からのアクセスがほぼコンスタントになっているが、どのような方に読まれているのか想像もできない。
 検索エンジンの発達によってたまたまヒットするのだろうか?