2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

谷沢永一「人間通」と最近のマスコミの報道の姿勢

大分古い本だが、谷沢永一氏に「人間通」という本がある。1995年に新潮選書として刊行され、2008年に増補版が刊行されている。 わたくしは「まごころ」などというものをいまだに信じている古い人間なので、ここで谷沢氏が述べている様々な日本で生き…

「レコード芸術」終刊

今日の朝日新聞朝刊に「レコード芸術」の「最終号」71年間 ありがとう ございました」という広告が出ていた。 71年間ということは、わたくしが幼稚園の頃の創刊である。CDではなくレコードである。そのころはEPが出た時期らしい。 わたくしが小学生の…

関白宣言

さだまさしに「関白宣言」という歌がある。結婚を前にした男が婚約者を前に、おれは関白な亭主になるから覚悟をしておけと宣言するといった内容の歌である。 黙って俺について来いとか、つまらぬ嫉妬はするなとか、お前は家をすてて俺のところに来るのだから…

一昔前の話

今から50年以上前、わたくしがまだ大学教養学部の学生のころ、法学の授業(長尾龍一先生)できいた話である。当然細部はうろ覚え。 先天性の異常のため男性性が過剰であるひと(ヤコブ症候群 ⅩYY?)は犯罪をおかしても処罰されないことに当時の法律ではな…

岡田暁生 片山杜秀 「ごまかさないクラシック音楽」(2)

序章 バッハ以前の一千年はどこに行ったのか こういうタイトルであるが、相当部分が「クラシック音楽」とは何なのかについての議論となっている。 西洋音楽は9世紀にグレゴリア聖歌が整えられた辺りから始まる。それなのになぜクラシック音楽はバッハ以後の…

町田康 「口訳 古事記」

この本は新聞の広告で知った。今日届いたばかりなのでまだ最初の「神xyの物語」しか読んでいないが面白い。 町田氏の古典口語訳?は池澤夏樹個人編集の「日本文学全集」(河出書房新社)の「宇治拾遺物語」の訳がとても面白かった。それでこれも面白いだろ…

岡田暁生 片山杜秀 「ごまかさないクラシック音楽」(1)

2023年5月25日新潮社刊の本。まだ出版されたばかり。二人の対談の前後に、「はじめに」を岡田氏、「おわりに」を片山氏が書くという構成。 岡田氏は『オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」』『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』『「クラシッ…