2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

内田樹 「街場のアメリカ論」

[NTT出版 2005年10月31日初版] 最近、こんな面白い本を読んだことがない。内田氏は本当に頭のいい人であるなあと思う。感嘆しきりである。かなり多くの部分を精神分析的な見方に負っており、精神分析的見方の切れ味というのを改めて認識させられ…

浅間里江子 「それでいいのか蕎麦打ち男」

[新潮社 2005年9月25日初版] まあ、どうということはない本なのであるが。団塊世代論である。わたくしも昭和22年生まれなので団塊の世代の一員ということになるらしい。 さて、表題のごとく団塊男は蕎麦を打つのだそうである。そして、会社をやめて…

井沢元彦 「ユダヤ・キリスト・イスラム集中講義」

[2004年11月30日初版] 同じ著者の「仏教・神道・儒教集中講義」が面白かったので読んでみたのだが、こちらの方が先に刊行されている。 ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の相互関係についての簡単な解説があったあと、それぞれの立場を代表する人間…

石原俊 「音楽がもっと楽しくなるオーディオ「粋道」入門」

河出書房新社 2005年10月20日初版] この前に取り上げた許氏の本が深刻野暮な本であるとしたら、こちらはいたって気軽な本である。副題になるような粋な本であるかどうかは微妙なのであるが。前にとりあげた同じ著者の「いい音が聴きたい」の続編であ…

許光俊 「クラシックを聴け! お気楽極楽入門書」

[青弓社 1998年9月30日初版] お気楽極楽なんて副題がついているがとんでもない話で、生真面目深刻である。その深刻趣味が鼻につく人も多い本だだろうと思う。 クラシック音楽は西欧文明のある時期に咲いた徒花のようなものであり、現在もうほとんど死…

内田樹 春日武彦 「健全な肉体に狂気は宿る −−生きづらさの正体

[角川Oneテーマ21 2005年8月10日 初版] 内田樹氏と精神科医である春日武彦氏の対談。内田氏の著書はここでもう何冊目であろうか? 春日氏の著書は前に「17歳の病」をとりあげたことがある。 対談ではあるが、内田氏は実によくしゃべる人で、7〜…

小谷野敦 斉藤貴男 栗原裕一郎 「禁煙ファシズムと戦う」

[ベスト新書 2005年10月1日 初版] この3氏が別々に「禁煙論」に対する反対を述べた論を収載し、それに小谷野氏と斉藤の対談を付し、最後に医学論文(もちろん、禁煙論の論拠を疑うもの)を一編付したものである。 小谷野氏の論の一部は以前の「素晴…