2002-10-01から1ヶ月間の記事一覧

末永徹「日本が栄えても、日本人は幸福にはなれない」

[ダイヤモンド社 2002年3月14日初版] 著者の「戦争と経済と幸福と」が面白かったので、読んでみた。 小泉首相は「米百表」の逸話によって構造改革の必要を説いた。これは戊辰戦争で荒廃した長岡藩に救援物資として送られた米百表についての話である…

箭内昇「メガバンクの誤算 銀行復活は可能か」

[2002年7月25日初版] 長銀の破綻前、長銀経営陣を批判して辞任した元長銀執行役員による日本の銀行論である。日本の銀行というのがもうどうしようもない状態に陥っているのだなということがよくわかる本である。 欧米では経済成長の低下とともに企…

末永徹「戦争と経済と幸福と」

[文藝春秋 2002年9月30日初版] まったく知らない人である。本屋で偶然みて買った。 こういう人がでてきたのだなあ、という感慨がおきる。 著者は1964年生まれ、というから40歳前後。大学をでてから外資系の証券会社でトレーダーを15年くら…

宮内義彦 田原総一郎「勝つ経済」

[PHP 2002年8月14日 初版] なんだかこういう本ばかり読んでいる気がするが・・・。 これまた、田原氏が聴き手。宮内氏はオリックスの社長。 宮内氏の後書きから。 「(抵抗勢力といわれる政治家の)思想と言えるものは旧来の農本主義、社会主義…

木村剛「日本資本主義の哲学 ニッポン・スタンダード」

[PHP 2002年9月9日初版] 田原氏との対談が面白かったので、読んでみることにした。 木村氏の論が迫力があるのは、実際に自分がベンチャー企業の社長であり、アメリカ資本のもとで働いた経験があるということに起因するようである。学者の発言では…

木村剛 田原総一朗 「退場宣告 居直り続ける経営者たちへ」

[光文社 2002年9月25日初版] 二人の対談だが、実際には、田原は聞き役で、木村剛の独演会。あらゆる点で飯田経夫の本と正反対の主張である。この対談でみる限り木村の説のほうがはるかに迫力があり、正論に思える。 日本の場合、一番の問題はルール…

飯田経夫「人間にとって経済とは何か」

PHP新書 2002年6月28日初版 飯田氏は大学の先生で、近代経済学者であるが、その飯田氏がもう経済学はいやになったということを書いた本である。 自分はこの世の中から貧乏をなくしたいと思って経済学者になった。以来半世紀、自分の目標は達成され…