2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧
第7章「女ざかり」の副題が「いいかげんな国家のいいかげんな小説」というのである。「「新日報(主人公が勤めている新聞社)」という国家は、体制はちゃんとありそうな立派な、いいかげんな共同体である(p238)」「偉そうなことを論じている豊崎教授…
今日、学会で、普段ならきかないような話をきいてきた(第100回日本消化器病学会総会「シンポジウム1 消化管幹細胞研究の新たな展望」)。 昨今、幹細胞というのが話題になっていなければきこうとも思わなかったはずである。何しろこちらは予備知識ゼロである…
武士道ー 侍社会の文化と倫理作者: 笠谷和比古出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2014/02/12メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 笠谷氏は「主君押し込め」などの研究で有名な近世、徳川時代の政治史を専門とする史学者。本…
何とはなしに堀井憲一郎さんの「若者殺しの時代」を読み返していたら、その最初に「一杯のかけそば」のことが書いてあって、それで最近のいろいろな事件のことが頭に浮かんだ。 「一杯のかけそば」の事件?は1989年つまり平成元年のできごとだから、いま…
女のいない男たち作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/04/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (124件) を見る どうせいずれ買うだろと思い買ってしまった。 村上春樹の最新短編集。「1Q84 book3」「色彩をもたない・・」と村上氏…
心の概念作者: ギルバートライル,坂本百大,井上治子,服部裕幸出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1987/11/11メディア: 単行本 クリック: 39回この商品を含むブログ (26件) を見る この本のことを最初に知ったのは、A・ケストラーの「機械の中の幽霊」を読…
本書のタイトルに「戸籍」があるのは、戸籍のもつ二つの側面(徴発と課税のためという国家からみた側面と、個人にセルフ・アイデンティティをあたえるという私的側面)を本書は考えようとしているからである。不破氏によれば、戸籍制度は東アジアの中華文化…
外山氏のこの本は偶然書店でみつけたもの。外山氏の本を読むのははじめて。「修辞的残像」という本の名前はきいていたが、読んでいなかった。最近、急に読まれるようになっているということもきいていたが、それでもみていなかった。著者は90歳くらいであ…
人生の意味とは何か (フィギュール彩)作者: テリーイーグルトン,Terry Eagleton,有泉学宙,高橋公雄,清水英之,松村美佐子出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2013/09/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 昨日「宇宙が始まる前には何があったの…
宇宙が始まる前には何があったのか?作者: ローレンスクラウス,Lawrence M. Krauss,青木薫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/11/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (19件) を見る 少しも理解できないにもかかわらず、この手の本を時々読んでいる。…
幻影の明治: 名もなき人びとの肖像作者: 渡辺京二出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2014/03/14メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 山田風太郎、司馬遼太郎、坂口安吾などの明治をあつかった小説などを論じた文を収めたもの。山田風太郎に肯定…
「年の残り」を読んだのも大分以前であるが、随分と技巧の勝った作品だなという印象しか残っていない。「彼方へ」と同じで登場人物に魅力を感じなかった。どうもインテリがでてくる小説を読めるものとするのには相当な力業がいるように思う。 不破氏は「年の…
ディオバン製造会社であるノヴァルティス・ファーマ社の社長の交代が報道されている。ディオバンの問題と白血病治療薬の問題によるもので、ドイツ人の新社長が「日本の従業員は他国と比べて医師を優先する傾向がある。患者優先の方向に文化を変えなければな…
ケンブリッジ帰りの文士 吉田健一作者: 角地幸男出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/03/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 偶然書店で見つけた本。著者については何もしらないが、1948年生まれということだから、ほぼわたくしと同…
今日から年度がかわったことだし、時々、読書の備忘以外にも書いてみようかと思う。 部外者で本当のことはまったくわからないが、大学の学位論文などのことが問題になりはじめたころは、小保方氏はひょっとして一切実験などはせず、ストーリーだけを作って、…