2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

中井久夫 「精神科治療の覚書」

[日本評論社 からだの科学選書 1982年4月20日初版] 1982年に出版された本。今から22年前、わたくしが35歳ごろである。精神科というよりもほとんど分裂病(統合失調症)の治療を論じた本であるが、ひろく臨床一般に通じる本である。刊行当時は…

熊木徹夫 「精神科医になる 患者をということ」

[中公新書 2004年5月25日] 若い(35歳くらい?)精神科のお医者さんの書いた本。計見氏と異なり全然偉そうでない。非常にナイーブな感じであり、それが弱点かもしれない。真面目過ぎる、あるいは真剣すぎる気がする。一番の問題点は、精神科医療を…

計見一雄 「統合失調症あるいは精神分裂病 精神医学の虚実」

[講談社・選書・メチエ 2004年12月10日初版] なんとなく今一つ感じのよくない本である。著者は不機嫌であるし、偉そうである。それは例えばタイトルに現れている。いまどき精神分裂病なんて言葉をタイトルに入れるところが、すでに世の流れに反抗的…

下條信輔 「視覚の冒険 イリュージョンから認知科学へ」

[産業図書 1995年4月13日初版] 新宿の三越の上にジュンク堂書店ができたのでいってみたら、その一角に養老孟司書店というのができていて、この本がおいてあった。最近認知科学にいささか興味をもったので買ってきた。大変面白かった。今から10年近…

G・レイコフ M・ジョンソン 「肉中の哲学 肉体を具有したマインドが西洋の思考に挑戦する」

[哲学書房 2004年10月15日初版] この本は実は読了していない。はじめの100ページくらいを読んだあとは、ぱらぱらと拾い読みをしただけである。どうにも、読み続けられない。きちんと読んでいない本について、感想を書くということは、本来であれ…