2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

 R. Arthur 「The Mystery of the Screeming Clock  The Three Investigators 9 」

Rondom House 1968年初版 英語の勉強。少年探偵団もの。今回は暗号解読がテーマ。怪人20面相みたいな泥棒のほうが問題を解決してしまい、少年探偵達はあまり事件解決に参加しないといういささか苦しい展開になっている。 Zが the の暗号になっているのだ…

梶田昭 「医学の歴史」

講談社学術文庫 2003年9月10日初版 文庫本350ページほどの本であるが、既刊本の文庫化ではなく、文庫で刊行されたものである。著者の急逝により未推敲の未定稿として残されたものを友人が完成させたものらしい。従来ある日本人による医学史の本と…

 Dylan Thomas 「 A Child's Christmas in Wales 」

New Drections 1954年初版? アマゾンでたまたま見つけてとりよせたもの。20ページくらいの版画入りのかわいい本。たぶんクリスマスシーズンの贈り物をあてこんで作られたものではないかと思う。ディラン・トマスが生まれ育ったウエイルズの子ども時代…

 養老孟司 「いちばん大事なこと − 養老教授の環境論」

集英社新書 2003年11月19日 養老氏の本がやたらと出る。あとがきにも書いているように「バカの壁」が売れたので、いままで約束した本の完成をやたらと催促されるためらしい。 本書によれば、養老氏の本業は虫取りである。それなのに虫がどんどんと消…

 河合隼雄 中沢新一 「仏教が好き!」

朝日新聞社 2003年8月30日 初版 わたくしは宗教とはまったく縁なき衆生であって、かって来世などというものを一度たりとも信じたことがない。確か高校の初学年のころに、はじめてプラトンのイデア説を知ったとき、なんとバカげた説であろうかと思った…

 J・メイナード=スミス 「生物は体の形を自分で決める」

新潮社 2002年10月20日 前と同じく「進化論の現在」シリーズの一冊。発生学と遺伝学の関連を扱った本であるが、その内容自体は専門的でよく理解できないところが多かった。ここでとりあげるのは、その最終章の、本論とはあまり関係のない「還元論者…

 C・タッジ 「農業は人類の原罪である」

新潮社 2002年10月20日初版 以前にも2冊ほどとりあげたことのある「シリーズ『進化論の現在』」の一冊。原題は「ネアンデルタール人 ならずもの 農民」。 定説によれば農業は約一万年前に中東ではじまったとされるが、いったん人類が農業の利点に気…

 養老孟司 「まともな人」

中公新書 2003年10月25日初版 「中央公論」に連載している「鎌倉傘張り日記」の既掲載文を本にしたもの。 養老氏は「虫採り」が道楽で、虫を貼り付けるための紙を自宅で切っていると、奥さんが「まるで傘張り浪人ね」といったというのが題名の由来で…

 小谷野敦 「聖母のいない国」

青土社 2002年5月25日 初版 アメリカ小説の評論集であるが、本書を買う気になったのは目次に「風とともに去りぬ」があったからである。「風とともに去りぬ」のような大衆小説が評論の対象として取り上げれることはまずない。それで小谷野さんがどのよ…

 松本健一 「丸山真男 八・一五革命伝説」

河出書房新社 2003年7月20日初版 丸山真男が戦後思想のカリスマたりえたのは、昭和20年8月15日に日本の無血革命があったという説を提示したことによるというのが本書の柱である。8月15日に天皇主権から主権在民へと革命がおきたというのであ…

 田原総一朗 「日本の戦後 上 私たちは間違っていたか」

講談社 2003年9月26日初版 よくいえば正直な本。悪くいえば、よくこんな本を恥ずかしげもなく出版したなという本。 氏は1934年生まれだから、わたくしより一世代以上上の人である。 その氏が、戦後の日本についてどのように感じてきたかというこ…