2003-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Doald Dahl 「 Boy Tales of childhood 」 

Puffin 1984 ダールの自伝の前半(後半は「Going Solo 」)であるが、自伝にかかれるべき自己形成についはほとんどなにも書かれておらず、ほとんどの部分が、子供時代に大人や年長の人間からうけたいじめとひどいしうちについてであるという異様な本である。…

Doald Dahl 「 My Uncle Oswald 」

Penguin 1979 主として児童文学者および大人向け短編作家として知られているダールの多分唯一の大人向けの小説。といってもとんでもない話で、悪漢小説のかたちで書いたポルノのパロディのような趣の作品である。 時代は第一次世界大戦前後のヨーロッパ。2…

ベンジャミン・フルフォード「日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日 最後の社会主義国家はいつ崩壊するのか?」

光文社ペーパーバックス 2002年12月10日初版 著者は「フォーブス」というアメリカの経済誌の日本支局長。「フォーブス」という海外誌には掲載されても日本語とはなっていない記事の収載もふくめて、日本を論じたもの。その中には日本ではほとんどメ…

橋本治「人はなぜ「美しい」がわかるのか」

ちくま新書 2002年12月20日初版 とても難しい本である。4章とあとがきからなるが、あとがきに一番重要なことが書いてあるようにも思うし、それぞれの章の関係がつかみにくい。 すこしづつ読んでいってみる。「まえがき」 「分かる」というのは「主…

池田清彦「他人と深く関わらずに生きるには」

新潮社 2002年11月30日初版 池田氏は生物学者であるが、「正しく生きるとはどういうことか」などといった本も書いている不思議なひとである。池田氏は生物学者であると同時に昆虫採集狂でもあるらしい。養老孟司氏もそうだが、昆虫採集をするひとに…

吉本隆明「夏目漱石を読む」

[筑摩書房 2002年11月25日初版] 1990年から1993年にわたっておこなわれた講演を収載したもの。 恥ずかしながら、漱石はほとんど読んでいない。通読したのは「坊ちゃん」「草枕」「こころ」だけで、それも「草枕」「こころ」は高校のとき課…