2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

菊澤研宗「組織の不条理 日本軍の失敗に学ぶ」

中公文庫 2017年3月組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫)作者: 菊澤研宗出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/03/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 山本七平氏の一連の陸軍ものを読んだことの影響だと思うが、日本の…

J・マーチャント「「病は気から」を科学する」(6) 第5章 催眠術−消化管をイメージで整える

本章は催眠術をあつかう。この辺りまで来ると、正統派の医療者は眉をひそめるのではないかと思う。ここで対象とする疾患は過敏性腸症候群(IBS Irritable Bowel Syndrome)。本書によれば、精神的なものとして片付けられがちだが、世界の人口の10〜15…

小玉武「開高健」

開高健: 生きた、書いた、ぶつかった! (単行本)作者: 小玉武出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/03/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 著者はサントリーの宣伝部で開高健の後輩であった人らしい。それですでに「「洋酒天国」とその時…

大森望 豊崎由美「「村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!」

村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!作者: 大森望,豊崎由美出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2017/04/14メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る 著者の二人は「文学賞メッタ斬り!」というシリーズを共著として出しているかたで、わた…

J・マーチャント「「病は気から」を科学する」(5)第4章「疲労との闘い ー 脳の「調教」」

エヴェレストなどの高地への登山を例に疲労についての考察から本章ははじまる。あるいは長距離ランナーの疲労。 水分補給が大切であるとされていた長距離走で、水の摂取は往々にして水中毒をおこすという、従来からの見解とはことなる説も紹介されている。 …

J・マーチャント「「病は気から」を科学する」(4)第3章「パブロフの力 − 免疫系を手なずける方法」

心というものが免疫系を含めた基本的な生物学的機能に影響を及ぼすかということが論じられる。もし影響をおよぼすのであれば、移植患者、アレルギーや自己免疫疾患、さらにはがんの患者においても投薬量を大幅に減らせるのではないか? 条件反射(条件づけ)…

J・マーチャント「「病は気から」を科学する」(3)第2章「型破りな考え - 効力こそすべて」

カプチャックというひとのプラセボ研究が紹介される。自分でいうには60年代の無分別で学生時代から漢方を学びはじめ、東洋の宗教や哲学と毛沢東思想に傾倒し、アメリカで鍼治療院を開業。治療成績はとてもよかった。しかし患者があまりによくなっていくの…