2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

井上章一「日本に古代はあったのか」

角川選書 2008年7月 なんとも奇妙な本である。はじめ冗談だと思って、面白がって読んでいたら、どうも本気らしいということがわかって、少し引いてしまった。 井上氏がこの本でいわんとすることは、京都は東京より優れている、狭義には京大は東大よりす…

内田樹「昭和のエートス」

バジリコ 2008年12月 例によって雑文集である。しかしブログに掲載された時論集ではなく、さまざまな媒体からの注文により書いた原稿をおさめた、もう少し腰のすわった論を集めたものということである。 いくつかの文をとりあげてみる。 「私的昭和人…

養老孟司 竹村公太郎「本質を見抜く力 環境・食料・エネルギー」

PHP新書 2008年9月 「水の未来」を読んでいたら、買ったまま読まずにいた本書を思い出した。竹村氏は元・建設庁河川局長で、養老氏の紹介で読んだ「日本文明の謎を解く」「土地の文明」が大変面白かったひとである。その対談。 まず、ピーク・オイル…

今日入手した本

内田樹「昭和のエートス」 バジリコ 2008年12月 P・ゲイ「快楽戦争 ブルジョワジーの経験」 2001年 E・パノフスキー「〈象徴形式〉としての遠近法」 哲学書房 2003年 メルロ=ポンティ「知覚の現象学」 法政大学出版局 1982年 河村英夫…

F・ピアス「水の未来 世界の川が干上がるとき あるいは人類最大の環境問題」

日経BP社 2008年7月 少し前に読んだピークオイル論もそうだったが養老孟司氏が紹介していた本。オイルが枯渇するという話は、それがいつということは議論がわかれても、それが化石燃料であるからには当然のこととして理解できるのだが、本書は水が枯…

E・H・ゴンブリッチ「美術の物語」

PHAIDON 2007年1月 知り合いに勧められて読んだ本。美術史、実際にはほとんど西洋美術史の本である。 ゴンブリッチの名前を初めて知ったのはポパーの自伝「果てしなき探求」の中に、ハイエクとともに自分を救ってくれたひととしてでてきたことに…

今日入手した本

磯田道史「江戸の備忘録」 朝日新聞社 2008年10月 R・ウインストン「人間の本能 心にひそむ進化の過去」 新曜社 2008年6月 T・イーグルトン「反逆の群像 批評とは何か」 青土社 2008年11月

橋本治「夏日」「冬暁」

中央公論社 1998年3月 「最後の「ああでもなく こうでもなく」」を読み、それで「貧乏は正しい!」なども読み返しているうちに、思い出して今から10年ほど前に刊行された橋本氏の小論集であるこの2冊を読み返してみた。本当は「春宵」「夏日」「秋夜…

橋本治「最後の「ああでもなく こうでもなく」 そして、時代は続いて行く−」

マドラ出版 2008年10月 橋本治が「ああでもなく こうでもなく」というとんでもない題名で「広告批評」に連載している時評をまとめた本はいままで5冊刊行されているが、6冊目となる本書は、その最新刊でありかつ最終巻となる。来年3月までで「広告批…