2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

山田風太郎 「警視庁草紙」

[ちくま文庫 1997年5月初版 原著1975年初版] 「日記」を読んでいて、読み返してみたくなった。実は「警視庁草紙」は読了した気でいたのだが、前巻の半分くらいまでしか読んでいなかった。読みきり短編の連作であるから、それでもいいのかもしれない…

河岡義裕 「インフルエンザ危機」

[集英社新書 2005年10月19日初版] こんな本を読んで勉強しているのが恥ずかしい。ようやく、なぜ鳥インフルエンザがこれだけ問題になっているのかの根幹のところがわかった。恥ずかしい。 昔、確か武者小路実篤の「愛と死」だかを読んでいてヒロイン…

内田樹「知に働けば蔵が建つ」

[文藝春秋 2005年11月25日初版] 読んでいて、自分の関心領域と重なるひとがたくさんでてきてちょっとうれしくなる本であった。 グレゴリー・ベイトソン(30歳ごろ熱中して読んだ)、マイケル・ポラーニー(栗本慎一郎さんがアクティブだったときに…

橋本治 「ひろい世界のかたすみで」

[マガジンハウス 2005年10月20日初版] 橋本治の雑文集である。自分でも「あとがき」に書いているように、「なんだ、このガチガチの内容は?」であり「なんだ、この一般性のなさは?」である。「国家」とはなにか?というとんでもない論文から、薩摩…

S・モーム 「お菓子と麦酒」

[新潮文庫 1959年] 山田風太郎の日記を読んでいたらモームの本をやたらと読んでいる記事が目立った。それでなんだか久しぶりにモームを読んでみたくなった。 小説というものはこういうものなのだ、とでもいうような小説である。これを読んでも別に何かを…

橋本治 「乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない」

[集英社新書 2005年11月22日初版] 橋本治が集英社新書に書くのは「「わからない」という方法」「上司は思いつきでものを言う」につき3冊目である。それらが三部作をなすのだそうである。前の二冊は相互にまったく関係のない本であると思っていたの…

山田風太郎 「戦中派復興日記 昭和26年 昭和27年」

[小学館 2005年10月10日初版] 「動乱日記」(昭和24・25年)に続く、山田風太郎6冊目の日記である。「動乱」で医学校に通いながら作家になってしまった山田風太郎は、ここではひとり立ちの作家として、書きまくり読みまくっている。たくさん読…

嵐山光三郎 「頬っぺた落とし う、うまい!」

[ちくま文庫2001年11月7日初版 原著は1998年10月初版] 前から知っていた本なのだが、タイトルがなんとなく品がない感じなので手にとっていなかった。今回何となく山田風太郎の本とともに購入。 一応小説であり、ストーリーがないこともないのだ…

浜六郎 「高血圧は薬で下げるな!」

[角川oneテーマ21 2005年9月10日初版] 著者の浜氏は医師だが薬の副作用について長年とりくんでいるひとで、つい最近もインフルエンザ治療薬であるタミフルの精神症状の問題をとりあげていた。 それでタイトル通りの本であるが、薬で下げるな!と…

岡田暁生 「西洋音楽史 「クラシック」の黄昏」

[中公新書 2005年10月25日初版] クラシック音楽は西洋音楽の歴史のごく一部である。西洋音楽は千年以上の歴史を持つが、クラシック音楽は18世紀から20世紀初頭までのたかだか200年の歴史を持つにすぎない。われわれが通常耳にしている音楽が…

草森紳一 「随筆 本が崩れる」

[文春新書 2005年10月20日初版] この人の本を読むのは初めて。自称、物書き。調べものをして書くらしく棲家は資料に使う本の山。本棚に収まりきらず、床に山積み。本当の山積みで雪国の道路のごとく、通路の両脇は本の断崖、本棚の本さえ見えないと…