2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

岡田暁生「クラシック音楽とは何か」(3)

最近、刊行された「世界の未来」という「朝日地球会議2017」に参加した数名の講演記録とE・トッドへのインタビューを収めた新書で、トッドがわれわれが、自分は「帝国以後」を書いたときとは、かなり違う見地にたってきているということを言っている。…

石牟礼道子さん

石牟礼道子さんが亡くなったらしい。 多くの方がそうなのではないかと思うが、わたくしも石牟礼氏の名前を初めて知ったのは「苦海浄土」の作者としてである。「苦海浄土」は水俣病被害を告発する反=公害の文学というような触れ込みであったから、わたくしが…

岡田暁生「クラシック音楽とは何か」(2)

今、われわれが自明のものとしているさまざまな価値観は結局のところ西欧に由来しているのだと思う。それは突き詰めれば「個人」というものにいきつくような何かで、現在の中国あるいはロシアがどの程度「個人」を尊重しているのか大いに疑問はあるにしても…

岡田暁生「クラシック音楽とは何か」(1)

小学館 2017年11月 このようなタイトルの本ではあるが、すべての内容がその問題を論じているわけではない。しかし、多くはそれと関連した話題を扱っているので、しばらく、この本にそって、それについて考えていきたい。 で、岡田氏によれば、クラシッ…